■産業界の巨大化指向は無策の象徴
阪神阪急と高島屋が統合に向かって動き出しました。
「大きいことはいいことだ」の呪文はまだ生き残っているのです。
生き残るどころか、むしろ大型化は時代の流れでもあります。
市町村も合併で大きくなっています。
大きくなった市町村は存在意味がないと私は思いますが、現場と無縁に生きている人たちは大きくしたいようです。
まあ、それしか能がないのでしょうが。
産業界も、銀行に象徴されるように、企業合併が続いています。
百貨店やスーパーもまだまだ再編が続くようです。
つまり組織は巨大化しているわけです。
歴史の摂理に反する馬鹿げた行動だと思います。
策の無い人たちが、大きくすることで問題を見えなくし、先送りしているだけですが、社会的な価値はたぶんマイナスでしょう。
巨大化して滅んでいった恐竜の歴史を思い出します。
持続可能な世界は生物の多様性によって支えられているという知見は、全く顧みられていません。
権力は常に大きくなることを目指します。
そして知恵のない人にとっての唯一の策は、巨大化です。
日本の経営者は本当に持続可能な経済や社会への移行を考えているのでしょうか。
政治家も官僚も、同じです。
今朝、面白いテレビを見ました。
みのもんたの番組ですが、自民党の世耕議員と公明党の髙木議員が出ていました。
中央官庁の事務次官の「ところてん型天下り」が話題でした。
理事長や社長や会長を渡り歩いている人が少なくありません。
私の大学のクラスメイトにも2人の事務次官経験者がいますので、私もそれなりに実態は知っています。
世耕議員か髙木議員かどちらだったか忘れましたが、野党議員になんでそんなに面倒を見るのか、自分で探させたらいいではないかと突っ込まれて、「できる人なら天下りの面倒はみませんよ」とつい応えてしまっていました。
野党議員(社民党の福島さんでしたでしょうか)は「できない人に事務次官をさせているの」と驚いていましたが、そうしたやり取りに象徴されているように、官僚には「できる人」はいないのです。
正確に言えば、官僚体制の中では極めて優秀で能吏(「できる人」)でもありますが、社会に生きていませんので、社会的には「できる人」ではないのです。
反論をする人がいると思いますが、官僚制度とはそういうものです。
彼らは機械の一部なのですから、主体性は捨てていかないと仕事ができないのです。
それがいいとか悪いとかではありません。
官僚制度とはそういうものです。
産業界の巨大化指向を批判するつもりが、思わぬ内容になってしまあいました。
わが友人がこの記事を読んだら、当分同期会には参加できませんね。
1年に2回もあるのですが。
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