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2008/10/26

■サイゼリヤの過ちと食との付き合い方

食材の安全性の問題で、外食産業は振り回されています。
こういう動きが出始めてから、もう長いこと経過しているのに、状況は改善されていません。
その大きな理由は、問題を外食産業の問題と捉えずに、個別企業の問題と捉えているからではないかと思います。
業界として取り組めば、事態はかなり変わったはずです。

しかも、個別企業の対応は必ずしも適切ではないように思います。
赤福の二重の間違いに関しては前に書きましたが、要は問題を引き起こした企業が慌てて対応してしまうために、おかしなことが行われてしまうのです。
個別企業の問題ではなく、業界の問題だと捉える人がいれば、こうした愚挙は避けられるはずですが、不思議なことにそうした動きは見えません。

そして、また同じような愚挙が行われました。
ファミリーレストランのサイゼリヤが販売したピザの冷凍生地から、微量のメラミンが検出された問題に対し、同社は対象のピザを食べた可能性のある客すべてに代金を返還する、と発表したのです。
慌てたのか、事業に自信がないのか、わかりませんが、多くの人はその発表におかしさを感じたのではないかと思います。
そして案の定、「ピザを食べたので代金を返金してほしい」と嘘をつく人が出てきてしまいました。
嘘をつく人が悪いといってしまえばそれまでですが、嘘をつかせるような状況をつくって、子どもたちに心の傷を負わせたことの責任はサイゼリヤにあるでしょう。
新聞で報道されているのは、たぶん氷山の一角です。

さらに心配するのは、毒物混入を誘発する効果です。
その影響は、サイゼリヤに限らず、ほかの外食産業にも及ぶ可能性はあります。
短絡的な対応は社会を混乱させるだけです。

そもそも外食産業には、常に安全問題が内在されていますし、顧客もまたそれをある程度は了解しているはずです。
世の中に、完全に安全なる物は存在しません。
そうしたことを踏まえて考えれば、外食における安全性の向上は、外食産業全体の問題であることは間違いありません。
他のレストランチェーンで問題が起これば、自分のところにお客が来るなどという話ではないのです。
そうした「安全で健全な外食産業」を育てるという姿勢が、外食産業にはあまり感じられません。
そこで働く人たちの労働条件も含めて、再考すべき時期だろうと思います。
餃子毒物混入事件で、労働条件の悪さの不満から、食材に毒物を混入したのではないかという話が出ていましたが、それはなにも中国に限ったことではありません。

そして、外食産業を利用するわれわれも、あまり安さを追求しないことです。
ホテルのバーが安いといっている麻生首相は論外ですが、外食産業は安すぎるように思います。
もし食費の負担を下げたいのであれば、自宅での調理をもっと増やすべきでしょう。
やりようによっては、食費は数分の1になるでしょう。
自宅で調理する時間がないという人があるとすれば、それは生き方、つまり働き方が間違っています。
そして、たまにはレストランで談笑したのであれば、きちんとお金を払うべきです。

私たちの食との付き合い方が、どうも少しおかしくなっているのではないかと思えてなりません。
食は、生活の基盤です。
家畜が餌を食べるのとは違うのです。

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