■節子への挽歌411:黒岩さんの『編集者国木田独歩の時代』が受賞しました
節子
今日はうれしいニュースです。
黒岩比佐子さんの『編集者国木田独歩の時代』が、今年度の角川財団学芸賞を受賞することになったそうです。
黒岩さんからその知らせが届きましたが、そこに
節子さんがこのことを知ったら、と書いてありました。
どれほど喜んでいただけただろうか、と思っているところです。
私もそう思います。ちょっと目頭が熱くなりました。
黒岩さんは私たちがやっていた湯島のオープンサロンの常連の一人でした。
そしていつもいろんな話題を提供してくれました。
節子はいつもそれに感心すると同時に、いつも忙しそうな黒岩さんのことを心配していました。
3人で食事をした時も、別れた後であのエネルギーはどこから出てくるのかしらと不思議がっていました。
黒岩さんはきっとどんどんと大きな世界に出ていく人ね、とその活躍ぶりをとても楽しみにしていました。
もっとも、節子は読書があまり好きではありませんでした。
何回も書いているように、節子は体育会系なのです。
節子が30分以上、本を読んでいる姿は記憶にありません。
実は、私も自宅ではそうなのです。
夫婦並んで読書するシーンは、わが家にはほとんどありませんでした。
どちらかが本を読んでいると、どちらかが口を出して、結局、話し合いになるのが、わが家でした。
一緒にゆっくりテレビを見ることもあまりありませんでした。
今から思うと私たちは何をしていたのでしょうか。
ともかく話すのが好きな夫婦だったことは間違いありません。
節子の位牌に向かって、黒岩さんの朗報を伝えました。
黒岩さんが、節子のことに言及してくれたことがとてもうれしいです。
節子
『編集者国木田独歩の時代』は黒岩さんの処女作「音のない記憶」と同じくらい、私には面白かったです。
黒岩さんの作品は、どれもこれも密度が高く、黒岩さんの思いがこもっていますが、この本は独歩の新しい側面を楽しませてくれました。
節子が元気だったら、また2人でお祝いに黒岩さんと食事でもできたのに、残念です。
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