■長妻さんと枡添さんの違い
ちょうど2年前の今日、このブログで「国会(の議論)の存在価値」というタイトルで、
批判と弁解は何の役にも立ちません。と書きました。
議論してお互いの考えを見直していく。
コミュニケーションとは、議論とは、まずは自らを変えることです。
その姿勢がないのであれば、国会は不要な存在です。
国会の議論を聞いているといつもそう思います。
日本では議論とは対立や説得だと勘違いしている人が多すぎるようです。
国会中継を見るといつもむなしくなります。
それと全く同じ感想を、昨日の国会中継(昨日は日中用事があり、夜のニュースで一部を見ただけですが)で感じました。
年金問題での長妻さんと枡添さんのやり取りですが、枡添さんには、そして麻生さんには、話し合って問題を解決していこうという姿勢が皆無です。
問題解決をしたいと思っているのであれば、対立議論ではなく、問題解決のための前向きな語論をしてほしいものです。
昨日の議論を聞く限り、枡添さんは解決よりも保身に向いているとしか思えません。
はげしい言葉とは裏腹に、官僚の代理発言とさえ感じました。
長妻さんと枡添さんの違いは明確です。
長妻さんは、問題を国民のために解決したいと考えています。
そのために実態を明確にし、問題解決のより効果的な取り組み方を考えようとしています。
さらに、こうした状況を引き起こした官僚体制のあり方を問題にしています。
それに対して、枡添さんはこれまでのやり方を守り、目先の問題解決をしようとしています。
しかもその方法は、これまでと同じく実現不能なことを繰り返しているだけです。
官僚のやり方そのもので、「やっている形」を重視し、「解決」には関心はありません。
ですから、自分のやり方にこだわり、ほかの意見を聞く耳を持ちません。
枡添さんにとっての関心は、アウトプットであって、アウトカムではないのです。
長妻さんが目指しているのは問題解決。枡添さんが目指しているのは民主党に勝つことです。
これは麻生内閣にも言えることです。
その麻生さんは、首相の席にしがみついています。
なぜ自信を持って、国民に信を問わないのか。
自信も誇りもないのでしょう。
哀れな人です。
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コメント
まったく逆の印象をもちましたが。。
投稿: a | 2008/10/08 00:41
受け取り方はいろいろありますね。
いうまでもなく、この記事は私のは一つの見方でしかありません。
いろんな見方がどんどん出しあえるのが、ネット社会の一つのメリットかもしれません。
aさんは偽のアドレスを使用されているのが、残念です。
このブログへの投稿は、存在しないアドレスを使用している方のコメントは受け付けていないのですが、今回は例外的に載せました。
投稿: 佐藤修 | 2008/10/08 07:17
書き手の佐藤修です。
国会中継を見ていない人には、わかりにくいところがあったと思いますので、補足します。
2人のやり取りはこうです。
厚労相 サンプル調査より(改ざんの)可能性が高い方々に直接データを持っていった方が早い。
長妻氏 143万件というが、86年のオンライン化以前の部分は入っていない。会社を存続させているのに、事業主負担をなくすための「偽装脱退」のケースも抜けている。これらも含めたサンプル調査で全体の改ざん率を出すことが重要だ。
厚労相 やらないとは言っていない。優先順位のつけ方が違う。我々のやり方が一番正しいと信じている。
長妻氏 5000万件の「消えた年金」は8月末までに700万件が統合されたが、これでは全件統合するのに12年かかる。8・5億枚の紙台帳との照合は今年度は3300万枚で、全部照合するのに25年かかる。
厚労相 誰もやったことのない仕事だ。予算と人員に限度がある。着実にやっていく。
これをどうとるかは人によって違うでしょう。
私は、大切なのは先ず問題の構造をしっかりと押さえることだと思います。
対処療法だったがゆえに、これまでどれほどの無駄遣いがあったことでしょう。
「可能性が高い方々に直接データを持っていった方が早い」という言葉に意味をしっかり考えるべきです。
私には何も言っていないように思いますし、やったかどうかも評価しようがない。
一番の問題は、「我々のやり方が一番正しい」ということです。
今までの反省が皆無です。
それが私が枡添さんを批判した理由の一つです。
投稿: 佐藤修 | 2008/10/08 09:46