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2008/11/24

■節子への挽歌450:彼岸と此岸の2つの世界で生きていた人

節子
こちらの世界は急に寒くなり、凍えそうです。
そちらはどうですか
彼岸と此岸とでは、状況は違うのでしょね。
でも、こちらからは全くわかりません。

しかし、その2つの世界を同時に生きていた人がいます。
18世紀の神学者スウェーデンボルグです。
彼は、30年近くにわたって、霊界と自然界(現実界)とを往来しながら、「霊界日記」を残しました。
彼が霊界に行けるようになったのは、57歳の時からだそうです。
その体験を踏まえて、彼は「死とは絶滅ではなく、生の連続であり、一つの状態から別の状態への移行にすぎない」と書いています。
人間はみな、自己同一性の意識と生前の記憶を失うことなく、古びた衣服を脱ぎ棄てるように肉体を脱ぎ棄て、肉体と類似した霊的身体を持ってよみがえるのだそうです。
スウェーデンボルグはこう書いています。

人間は死ぬと、自然界から霊界へ移ってゆく。
その際、地上の肉体は除いて、自分のすべて、つまり個人的な性質に属するすべてを霊界へ携えてゆく。
というのは、霊界、つまり死後の生活に入ると、この世の肉体に似た身体を持つからである。
この世の肉体と霊的な身体との間には、どんな違いもないように見える。
事実、霊界の人々はどんな違いも感じていないのだ。
ただ、彼らの身体は霊的であるため、地上的な要素から分離され清められている。
スウェーデンボルグによれば、霊界には空間も時間もないので、この世と違い、思ったことが瞬時に実現するのだそうです。その霊界での動きが、自然界、つまりこの世にも影響を与え、それに「照応」した動きが現実化するのだそうです。
「虫の知らせ」や「不可思議な現象」などは、そうしたことの結果といえます。

先日、メールを下さったSBさんがこう書いてきました。

佐藤さんは何で奥さんと一緒にいられる気持ちになれるのでしょうね。
(私は)妹と一緒にいる気は決してしません。
こう返事を書きました。
一緒にいると思うと精神的に安堵できます。
だから一緒にいることを信じられるようになりました。
論理的ではありませんが。
それに、妻のことはすべて知っているという自負がありますので。
もし彼岸があって、そこで節子が霊になっているとしたら(私はそう思っていますが)、そこで節子が何をしているかは、私には見えるような気がします。
なにしろ時空間概念のない世界ですから、「見える」というのは正確ではないですが、何を思っているかはすべてわかるような気がしています。
両界を往来できたスウェーデンボルグは、なぜ彼岸に移行してからは、往来をやめたのか、それを考えると、節子がいま何を思っているか、そしてどうあるかは、わかるような気もします。
つまり、節子は私と違って、この世においてもきっとまだ生きているのです。
それがスウェーデンボルグのメッセージではないかと思っています。

少し「危うい話」だったでしょうか。

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