■節子への挽歌445:「救えなかった自分の責任」
挽歌を読んでメールを下さった人がいます。
昨年、妹さんをがんで亡くされたSBさんです。
妹さんのお名前は「節子さん」。48歳の若さでした。
ずっと一緒に暮らしていたそうです。
11月16日付の妻への挽歌を読んで今まで躊躇していた気持ちが抑えきれずメールさせていただきました。「救えなかった自分の責任」
”肩の荷を降ろしてはいけない気持ち”
まさにそうですよね。
佐藤さんもそうかもしれませんが 私も何回も後を追おうとしました。
妹を救えなかった自分の責任。
いろいろと代替療法もやったり、最後は丸山ワクチンもやりましたが、急変し永遠にあえないところに行ってしまいました。
自分の前に2度と現れないことになってしまいました。
まさに救えなかった自分の責任と思っています。
般若心経は空で唱えられるようになり、毎晩読経しています。
お墓も毎週休日には行っています。
だけどだからといって許されるものではない。
SBさんの心境が痛いほどに伝わってきます。
いつまでメソメソしているのかと思うでしょうが、その自責の念からはなかなか自由にはなれないものです。
SBさんもずっと節子さんの闘病を支え続けてきたようです。
私の場合も、SBさんの場合も、それぞれの節子さんは許すどころか、感謝していると思うのですが、それを知っていながらも、「だからといって許されるものではない」という気持ちがいつもどこかにあるのです。
ほかの人にとっては、もう過去の話なのでしょうが、当事者にはいつまでたっても「現在の話」なのです。
時間感覚が、愛する人に関してだけは、止まってしまっているのです。
SBさんの節子さんは48歳、私の節子は62歳。
その年齢の違いが、自責の念に繋がっているのかもしれません。
SBさんにどう声をかければいいか考えつきません。
ただ同感するだけです。
それしかできない自分が歯がゆくもあり、哀しくもあります。
元気づけることなどできようがありません。
たぶんみんな同じでしょうね。
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コメント
朝夕寒くなってきましたね。窓から見える桜の葉っぱが赤や
黄色になってきれいです。拾ってきて主人の写真の前に飾り
ました。「きれいねえ」「自然ってすごいわねえ」と話かける
相手は一体どこへ行ってしまったのでしょうか。。
寒くなり、空が青さを増すと寂しさも増すような気がします。
心も冷えるのでしょうか。。。
「肩の荷をおろしてはいけない気持ち」そうですねえ・・
救えなかった責任とは私は少し違いますが、「肩の荷をおろし
たくない」とでもいいますか・・・荷物をしょっているのが
もしかしたら私の生きがいだったのかもしれないような気が
するのです。長い病気でしたので、この荷物をもっている
限りは命が続いていくような気がしていました。
世界は私達の大切な人がいようがいまいが続いていっていま
すが・・・・私にとっては一変してしまいました。心の底
から笑うことは無くなったような気がしていますし、活力
というものを忘れてしまったように思います。
闘病が厳しくなってきた時も外の世界と私達の世界との
間にさ~~っとレースのカーテンがひかれたような気が
しました。そこにある世界は見えるのだけれど、私達が
望めるものは遠いのだという感じとでもいうのでしょうか。
そして今は・・・主人の居る世界が見えないのですから
カーテンはもっと厚いものになり、しかもこちらにいる
のは私ひとりになりました。もちろん気配は感じる時も
ありますが・・・・そういう時カーテンはどこにひかれて
いるのでしょうね。
分からないことがいっぱいです。まだまだ私の気持ちは
さまよい続けています。
投稿: 田淵 マサ子 | 2008/11/20 00:00
田淵さん
ありがとうございます。
書いてくださった事のすべてが、私にも当てはまるような気がします。
私も毎日思うことが変わっています。
考えれば考えるほど、わからなくなりますね。
ただ、今はそうした現実を素直に受け入れることしかできません。
いつか心から笑えるようになれるのでしょうか。
今はまだ無理ですね。
でもまあ、心から笑えなくてももういいかという気もします。
田淵さんが書いているように、さまよい続けている気分です。
寒くなりました。
ご自愛くださいますように。
一人だと寒さはこたえます。
ありがとうございました。
投稿: 佐藤修 | 2008/11/20 07:39