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2008/11/10

■経営とは不変の道理を実現すること

企業の偽装事件報道はいまだ止むことがありません。
最近の企業不祥事報道にはいささかの異論はありますが、企業にも問題がないわけではありません。
私自身は、食品業界の不祥事などよりも、GMやトヨタの言動にこそ、問題を感じます。
たとえば、昨日の朝日新聞によれば、GMのワゴナー会長は、「我々は破綻を避けるために、すべての資金調達手段を利用する」と話したといいます。
「すべての」というところに焦点を当てて、朝日新聞は、「延命、なりふり構わず」と見出しに書いています。
それが正しいかどうかはわかりませんが、「なりふり構わず」戦略はこれまでもよくとられてきましたから、それほど間違ってはいないでしょう。
トヨタ関係の関連企業の派遣社員解雇に関しては、トヨタの責任を感じます。
不正規採用社員による巨額な利益の一部を使って、好調時に保険的な対策をとっておくべきだったと思います。

「経営」とは何でしょうか。
私は、「経営とは愛と慈しみ」だと考えていますが、文字通りに解釈すると「経を営むこと」になります。
「経」とは、「不変の道理」や原理原則です。
私が毎朝唱えている般若心経の「経」です。
ですから、経営とは原理原則を実現することといえます。
その「原理原則」が見失われているわけです。

「経」は、「経度」というように、「縦糸」という意味もあります。
つまり何かを貫くものですが、いまはそれが「金銭」になっているわけです。
最近の企業経営者の原理原則は「お金を儲けること」になってしまったのでしょうか。

そんなことはありません。
誠実に、人の世の原理原則や道理を貫いている企業経営者は決して少なくありません。
しかし、悪貨は良貨を駆逐するのが時代の流れです。
それを反転させなければなりません。

そういう思いで、私の友人が20年ほど前、「経営道フォーラム」という活動を始めました。
企業経営者に「経営の心と道」を修得してもらおうという活動です。
その活動にささやかに関わっていますが、企業はむしろ「人としての心と道」を忘れて、「経営の外道」に陥ってしまっているような気がします。
ずっと関わっていて、とてもむなしいです。

今日は、午後から半年間、「経営道」を考えてきた企業の経営幹部の皆さんの発表会があります。
元気をもらえるといいのですが。
もしご関心があれば、「経営道フォーラム」や「日本経営道協会」でネット検索してみてください。
日本経営道協会のほうの公開発表会は、11月15日です。

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