■「自殺防止に取組むべき者は誰か」
昨日、テレビで東尋坊で自殺予防の活動をしている茂幸雄さんの活動を見ました。
先週も報道番組で特集されていましたから、2週続けて、元気な茂さんの活動振りを拝見したことになります。
実は、事前に茂さんからメールで、
今回の番組では、「自殺防止に取組むべき者は誰か」ということを訴求したいとお聞きしていました。
残念ながら、茂さんのその思いは、今回の番組ではあまり読み取れませんでした。
これは勝手な推測ですが、元厚生次官宅襲撃事件の犯人出頭のため、そちらに時間がとられ、予定されていた内容がかなりカットされたのではないかと思います。
それでも、茂さんたちの思いは充分に伝わってきました。
現場で汗して取り組んでいる活動の迫力は大きいです。
しかし、こうした水際での地道な活動にも関わらず、自殺者は毎年3万人を越え続けています。
茂さんたちが、時に「落ち込む」こともよくわかります。
ですから、茂さんからの、「自殺防止に取組むべき者は誰か」というメッセージにはとても関心がありました。
その答は、たぶん、「周りにいる人たち」ではないかと思います。
茂さんは、5年にわたる活動で、そのことを実感されているからです。
私が取り組んでいるコムケア活動は、「人のつながり」を育てることこそがすべての解決策の出発点であり、目標であると考えています。
だれか一人でも気にしてくれている人がいれば、人は自らを死に追い込むことはないはずです。
その「一人」さえもがいなくなってしまった人が増えているのかもしれません。
昨日、もう一人のコムケア仲間と電話で話しました。
大阪で高齢者の孤独死をなくそうと「おたっしゃコール」という仕組みを開発し、全国に広げようとしている松本さんです。
松本さんは、最近、自分たちの活動を「Com2(Communication & Community)再生モデル事業」と表現し始めました。
詳しくは松本さんたちのやっているデイコールサービス協会のサイトを見ていただきたいですが、松本さんも「人のつながり」が孤独死をなくしていくことを知っています。
自殺も孤独死も、それを防止するのは茂さんでも松本さんでもありません。
私たちみんななのです。
周りの人への関心を少し高めていく。
それだけで社会は変わっていくのかもしれません。
11月26日の夜、支え合う生き方を考える気楽なサロンを開催します。
よかったら参加してください。
気楽な雑談会です。
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