■田母神空幕長と自衛隊の本質
今朝、ブログに記事を掲載しようと思って、アクセス状況を確認しました。
そうしたら、昨夜の9時以降にアクセス数が急増していました。
今年の4月に書いた「田母神空幕長の法を踏みにじる発言に耳を疑いました」へのアクセスが原因でした。
そう言えば、昨夜のテレビで田母神空幕長更迭が報道されていました。
あることが話題になると、関連記事へのアクセスは急増します。
私のブログはファッショナブルではありませんので、アクセスはそう多くはないのですが、それでも時々、1日に1000件程度のアクセスがあることがあります。
それはこうした「話題の事件」にフィットした時です。
それで改めて世間の関心の動きを知ることも出来ます。
田母神空幕長の論文記事に、これだけの関心があったことになぜかホッとしました。
その一方で、あの「田母神空幕長」がまだそのままの職にいたことに、驚きも感じました。
私には「ありえない話」ですが、いまの自民党や民主党の発想であれば、そう不思議ではないのでしょうね。
浜田防衛相が、本人に更迭を伝えた時に、「『立場として問題では』と話した」といったと新聞に書かれていましたが、まあ、その程度の認識です。
それにこの論文の内容は、防衛省には事前に伝わっていたのですから、これはある意味では防衛省、つまり政府が認めた見解なのです。
もし首相が知らなかったとしたら、それはシビリアン・コントロールの破れといえます。
これは決して、田母神空幕長の個人的見解ではありません。
自衛隊の主流を歩いてきた人であり、法を無視する発言をしてもとがめられなかった人です。
自衛隊はもちろん、防衛省の文化を象徴している人と考えていいでしょう。
そのことの恐ろしさを、もっとマスコミは明確にすべきでしょう。
マスコミに対しても、なにをいまさらと私は思います。
守屋事件などは、こうしたことに比べれば、瑣末な話です。
歴史もまともに学んでいない狂気の人がトップに存在している自衛隊は、凶器以外の何物でもありません。
元サマワ先遣隊長の佐藤正久参議院議員もそうですが、いまの自衛隊は狂気を育てる組織かもしれません。
世界の平和にはマイナスの存在です。
田母神前空幕長はひとつだけ同意できることを書いています。
今の状況では日本は守れない、と。
全く同感です。
こんな人が自衛隊にいる限り、日本は守られるはずもありません。
70年前を思い出さなければいけません。
田母神前空幕長のこれからの身の処し方に興味があります。
自らでけじめをつけられないような人でないことを期待します。
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コメント
■防衛相、現役空幕長を更迭へ-軍人は暇なほうが良い?
こんにちは。軍隊とは規律を重んじる組織ですが、今回の出来事自衛隊の規律が相当ゆるんでいることを示す査証だと思います。私は、いくら自衛隊の幹部ともいえど、軍人は本当の意味で「頭」を使ってはいけないと思います。仕事で「頭」を使いたければ、民間企業の役員や、政治家などになれば良いのであって、軍人になるべきではないと思います。ここで、「頭」というのは、戦略を作成するときの方向付けとか、組織の理念、大儀などをつくるという意味です。軍人は頭を使わず、暇が一番良いと思います。詳細は、是非私のブログをご覧になってください。
投稿: yutakarlson | 2008/11/01 10:54
今の状況では日本は守れない。まさに同感です。彼のような人がいなくなった時点で、日本独力で自国を守ることは随分と先の話になってしまいましたね。残念です。しかも自衛官は軍人ではないし・・・。軍人であれば、国際法のみに縛られるべきであり、自衛隊法、そんなの関係ねぇ!となるのですよ。
投稿: 無念 | 2008/11/02 21:20
自分は法学部で法律を勉強していますが、田母神空幕の発言や論文をちゃんと掲載してから批判を書くべきではないでしょうか?
確かにシビリアンコントロールは重要です。しかし今の日本ではいろいろと危ない事件が起きていて国民の人たちは武器などをつかった事件に過敏になっているとおもいます、その中で日本の武装組織である自衛隊や自衛官との思想や危機感の乖離が起きていることを考えないといけないと思います。リアルと希望を近づけることは良い意味でもあり悪い意味のこともあるのではないでしょうか?
確かに戦争をすることはよくないですが、日本という国をいかにして守っていくか、国民としてはいかに守られるに値する人間であるべきかなどをしっかり考えるように意見を投げかけるのも重要だと思います。
今まで42年間あなたからすれば狂気を育てた組織や国に裏切られて更迭処分をされた幕僚長や、狂気の組織といわれた方々のことも少しは考えてあげたらと思います。確かに個人のブログなのですが、田母神幕僚長とは反対の意味で過激すぎると感じました。
自分の文章や知識は非常に乏しいですがどうしてもコメントをしたかったのでさせていただきました。
投稿: さてんちゃん | 2008/11/03 22:02
単なる言葉狩りはやめましょうね。
日本人の悪いクセです。
空幕長の意見は正しいのか?いや政府見解が正しいのか?そういう本質を議論しなければ・・・
海外のメディアや言論は必ずそうなる。
公務員等は自分の意見を言うな?これじゃ言論封殺だろう。
空幕長が言うとおり北朝鮮と変わらない。
投稿: 太田正治 | 2008/11/04 10:26
いろんな人からコメントが来ました。
アドレスが間違いなく存在しない偽名の人のコメントは削除させてもらいました。
さてんさんへのコメントを書きます。
まずコメントありがとうございました。
さてんさんの誠実なコメントには感謝します。
論文はさてんさんも読んでいると思いますが、
著作権の関係もあり勝手には掲載できません。
アバグループのサイトを見てもらうしかありません。
この問題を議論する場合は、まずはその論文を読んでからですよね。
そのことには賛成です。
それとこのブログへのアクセスが急に増えていますが、こんなブログを読むのなら、田母神さんの論文を読んでほしいなと私も思います。
でもまわりでも読んでいる人は少ないのです。
不思議な時代です。
それとこのブログは、明記しているように、独断的で過激なのです。
あしからず。
ただ最近はかなりマイルドになってきたとも言われていますが。
私も法学部の出身ですが、
もし法律を学ぶのであれば、ぜひ政治学や行政学も学ぶのがいいと思います。
官僚制度を学ぶには、経済学や政治史も学ぶ必要があります。
余計なお世話ですが、私の体験からです。
それと憲法ですが、
これは何度熟読しても、たぶんそのつど気がつくことがあります。
憲法に関しては、たくさんの視点からたくさんの論点がありますが、
まずは憲法そのものをよく読むことが大切です。
田母神さんが憲法を読んでいるといいのですが。
投稿: 佐藤修 | 2008/11/04 18:37
私には田母神氏は憂国の士として目に映りました。そもそも法とは何なのでしょう。日本は先の大戦で敗北し、戦勝国に数日間で作られた、戦勝国にとって都合の良い憲法を押し付けられ、裁判では嘘や捏造によって日本に不利な判決のみを押し付けられたのではないかと私は推測しています。勿論、一方で日本軍による暴力が決して無かったとは当事者ではない私には言い切れませんが、日本が植民地にしてきた国々の中で一部が批判だけをし、その一方で日本主導によって作り上げられたインフラや教育の整備に対し感謝さえしている国があることをご存知でしょうか?日本軍が何故一部の国に対し恩恵を施し、なぜ一部の国に対し迫害をするのでしょうか?私には理解できません。また、私には推測しかできませんが、日本に対し批判をしている国が日本に対する優勢、軍拡の反対、あるいは損害賠償金欲しさの恫喝のために捏造あるいは大袈裟に表現しているのではないかと疑っています。考えすぎだと思われてもしょうがないですが、あるいは将来、日本に侵略するとき、国内外の批判を抑えるための布石か。あなたは田母神氏の論文には目を通しましたか?日本は憲法によって自国を守ることが出来ないですが、そもそもその憲法が真に国民を守るために作り上げられたと思いでしょうか?日本が戦後平和でいられたのは憲法九条の制約によって日本から戦争を起こさなかったからと思いでしょうか?私は日本の平和は在日米軍による武力を他国が恐れたためだと思っています。米軍基地の撤退がもう約束されていますね。また、先月、津軽海峡で中国軍による無断で原子力潜水艦が3艘通過しました。私はこのままでは日本の安全は疑わしいものだと素直に思っています。
これは私の推測でしかありませんが、日本の安全を憂いた田母神氏は身を犠牲にすることを厭わずして、日本にかけられた呪縛に対し一石を投じたのではないのでしょうか。私達のご先祖様が根拠の乏しい論拠で辱められていることに対して疑問を抱くことは悪なのでしょうか。
投稿: ara | 2008/11/05 06:36
> 私達のご先祖様が根拠の乏しい論拠で辱められていることに対して疑問を抱くことは悪なのでしょうか
そういう問題ではありません。
公務員は一国民である前に、公の身です。
自由に発言したければ、職業の自由があるのですから、公務員をやめればよいだけのことです。
逆に例えて、命令が出たら、命令の通りに武力を行使しなければ、自衛隊員が武力行使反対という主義で命令に従わなかったら、自衛隊の存在する意味がありません。
退官されてから何を発言されようと自由です。その自由は保障されています。
ですが、現役で国家と異なる思想を発言することは制限されるべきです。
「日本は天皇を中心とした神の国であり、天皇のために命を捧げる用意がある。国民も同じ気持ちでいるべきだ」
そう幕僚長が発言しても、個人的発言として容認しますか?
そういう考え方は尊重しますが、幕僚長が発言すると、自衛隊の総意と見なされて然るべきでしょう。
投稿: ma | 2008/11/05 14:46