■突然の破綻など本来はありません
「突然の破綻」がよく起こるようになりました。
京品ホテルの突然の閉鎖、突然の派遣中止、突然の融資解約(SFCG)、突然の内定取り消し。
一昨日は、約20の保育園の突然の閉鎖が報道されていました。
「突然」ということが起こるのは、今に始まったことではないかもしれませんが、最近、そうした「突然の」しかも「一方的な終わり」が企業によって行われることが多くなっているような気がします。
京品ホテルは経営者の突然の閉鎖発表にもかかわらず、従業員ががんばって営業を継続しています。
閉鎖宣告された保育園も、施設や保育士、さらには利用者がいるわけですから、事業を継続できるわけですが、閉鎖してしまえば、空き家になってしまい、資産は無駄に成っていきます。
実体としての事業が存続可能なのに、なぜ突然の閉鎖が決まるかといえば、経営上持続できないという理由です。
そういう理由で、銚子の市立病院も閉鎖されました。
全くおかしな話です。
利用者がいて、供給者がいる。
事業が成り立つには、それで十分です。
あとは瑣末なことでしかありません。
経済とか経営は、そうした事業実体を支援するためにあるべきです。
それが「経世済民」ということでしょう。
そしてその効果的な仕組みの一つが、お金でした。
お金は事業、つまり生活を支えるためのものでした。
それがいまや、お金のために事業が壊され、生活が振り回されているわけです。
経済政策を考える人たちの発想が全く変わってしまっているのです。
実体がある事業は、現場に人たちが汗と知恵を出せば必ず継続の道はあるはずです。
もちろん利用者も一緒に汗と知恵を出す必要があります。
そして、普段の事業展開において、関係者(経営用語を使えば、ステークホルダーです)と一緒に取り組んでいれば、「突然の破綻」など起こりようは無いのです。
もちろん「企業不祥事」も起こらないでしょう。
みんな「経営」ということの意味を理解していないとしか言いようがありません。
忘れてはいけないことは、「突然の閉鎖」で一番大きな被害を受けるのは、「突然」知らされた関係者です。
まともな経営をしていたら、「閉鎖」はありえるとしても、「突然」はありえません。
突然の発表の裏には、必ず「不正」と「利益隠し」があるはずです。
最近の経営者は、また経営を忘れているようです。
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