■節子への挽歌464:「私に言えるのはあなたが私の人生に必要だということ」
「ブレイブワン」シリーズその2です。
今回は理屈っぽい話はやめて、映画の最後のエリカの語りを紹介します。
もう戻れないエリカは、新しい自分に出会いました。
昔の自分にも
あの場所にも
自分の中の見知らぬ他人
それが今の自分のすがた私に言えるのは
あなたが私の人生に必要だということ
星が光を失っても
あなたが明るく輝き続ける
エリカは復讐を成し遂げることで、前に進めたのだろうと思います。
しかし、復讐すべき相手が、自分だったらどうなるのか。
私はエリカとは違う状況にいますから、エリカのようにはいきません。
節子を失ったことを、誰かのせいにはできないのです。
不謹慎な言い方ですが、復讐できたエリカがうらやましくもあります。
それはともかく、事件を決着させた後も、エリカはこう言います。
私に言えるのは
あなたが私の人生に必要だということ
新しい自分にエリカが出会えたことに、実はいささかの違和感を持っていましたが、
最後にこの語りが出てきたので、とても救われた気持ちがしました。
新しい自分とは、過去と切り離された自分ではありません。
昨日書いたように、壊れてしまった自分がまた一つになって生まれた自分なのです。
そこに、愛する者がしっかりと組み込まれている。
そんな感じを、最近強く持てるようになりました。
手塚治虫が「火の鳥」で繰り返し描いたような、愛する者と一つになり、それがさらに広がっていくような感覚です。
先日、帰宅途中の夜空に「笑顔」を見つけました。
私には初めての光景で、目を疑いました。
三日月の上に、水星と火星が並んで輝いていて、笑顔のように見えました。
これまで見たことのなかった組み合わせでしたので、夢をみているような気がしました。
出かける前に、「ブレイブワン」のエリカの語りを繰り返し聴いていた日だったので、
節子が私に送ってくれたメッセージだと思いました。
つまり、私だけに見えたのだと思っていました。
しかし、夜のニュースで、誰にも見えて風景だったことを知りました。
ちょっとがっかりしましたが、そこに私と節子が見えたのは私だけでしょう。
節子のおかげで、見えない世界がいろいろと見えるようになってきています。
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