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2008/12/27

■派遣切りしているのは「企業」ではなく「経営者」です

テレビや新聞の報道で、いつも気になることがあります。
たとえば、今回の契約期間中の期間工の解雇や派遣切りなどですが、
それを行ったのは誰かということです。
報道では、ほとんど例外なく主語は「企業」です。
以前も書いたことがありますが、
この種の行動の主語は「企業」ではなく「経営者」ではないかと思います。
役員会で組織の方針として決定されたとしても、
決定したのは組織としての「企業」ではなく、
企業を経営する個人としての「経営者」です。
そこを曖昧にしては、問題が見えなくなるはずです。

つまりそれぞれの企業の経営者が決定したことなのです。
その人たちは果たして「痛み」を感じているでしょうか。
中小企業の経営者であれば、従業員の顔が見えていますから、
「痛み」は感じたくなくても感じざるを得ないでしょう。
しかし大企業の経営者はどうでしょうか。

さらにいえば、状況は厳しいとはいえ、
大企業が口を合わせたように一斉に派遣切りを始めました。
「談合」があったと勘ぐりたくなりますが、
それがないとしても、財界という組織の中での暗黙の合意があったように思います。
そうでなければ、それぞれの会社が巨額な内部留保を蓄積しながら、
一斉に解雇宣言をするようなことは起こらないでしょう。

今回、企業(金儲けのための出資者)のために人を解雇した経営者の名前は、
私は決して忘れることはないでしょう。
いや世間も忘れるべきではないと思います。
彼らが奪ったのは、解雇した人たちの人生設計だけではありません。
企業への信頼感を壊してしまったのです。

先日会った若いベンチャー企業の経営者が、
まさか大企業の経営者が実際にこんなことをするとは思ってもいませんでした、
と驚いていました。
以前、私が派遣労働の問題性を話した時には、
むしろ働き方の選択肢が増えるから良いことだと思っていたそうです。
彼は当時まだ、大企業の経営者を信頼していたのです。
彼は誠実な経営者です。
大企業に「経営」はなくても、中小企業には「経営」があるのが、救いです。

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