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2008/12/27

■節子への挽歌482:「節子だったら怒るだろうな」

娘たちとテレビを観ていて、よく出てくる言葉があります。
「節子だったら怒るだろうな」。

節子は生真面目な人でしたので、テレビ番組で食べ物を無駄にするようなシーンが許せませんでした。
パイの投げ合いさえも大嫌いでしたし、ビールを掛け合うシーンも好きではありませんでした。
ともかく食材や料理を粗末に扱うようなことがあると本気で怒り出すのです。

食材だけではありません。
節子はともかく「無駄」が嫌いだったのです。
たとえテレビ番組とはいえ。物を簡単に壊してしまうようなショーは節子の怒りをかっていました。
そのくせ、自分はけっこう賞味期限切れで食材を無駄にしていましたが。

不真面目なものも嫌いでした。
たけしの不真面目な、特に独りよがりな駄洒落のような言動は大嫌いでした。
たけし軍団のメンバーに対する、暴力的な仕打ちには本当に腹を立てていました。

相方の頭をたたいたりする行為も嫌いでしたし、
裸に近い格好で出てくるタレントも大嫌いでした。
それに意味のない行為や言葉も好きではありませんでした。
中国雑技団の曲芸でも、たとえば頭で跳び歩いたり、お腹の上に石を置いたりするのは、なんでそんな馬鹿なことをやるのかと怒っていました。
節子は、自分でも言っていましたが、真面目すぎて時代についていけていなかったのかもしれません。
もちろん私も同じなのですが。

ニュースキャスターに腹を立てていたこともあります。
久米宏の、最後にごまかしてしまうような笑いにしてしまうコメントが嫌いでしたし、はっきりものを言わないニュースキャスターも好きではありませんでした。
自分が単純だったせいもあり、複雑な物言いも好きではなかったようです。

ほかにもいろいろありますが、時々、テレビに向かって腹を立てていたわけです。
その姿を私たち家族は時々思い出すわけです。
いつの間にか、そうした節子の反応が、私のものにもなってしまっています。
上にあげたような事例は、一つの例外を除いて私も同じです。
例外は、「意味のない行為や言葉」です。
たとえば、「ハンマーカンマー」のようなものは、絶対に節子は理解しないでしょう。
まあ、私も理解しているわけではないのです。はい。

残念ながら、節子が怒るような場面は。相変わらずテレビでは多いです。
いえ、ますます多くなっているようです。
節子が元気だったら、と思うと、最近の私の社会への反応の鈍さを反省しなければいけません。
今年の年末は、心が平安になりそうもありません。
節子に救ってほしいほどです。

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