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2008/12/15

■なぜルボックスはアメリカでは販売されないのか

CWSコモンズのほうに書いたのですが
先週、メンタルヘルス総合研究所の久保田所長から、SSRIの話を聴きました。
SSRIは、Selective Serotonin Reuptake Inhibitorの略で、
そのまま訳すと「選択的セロトニン再取り込み阻害剤」になります。
要するに、抗うつ薬の一つで、薬としては、ルボックス、デプロメール、パキシル、ジェイゾロフトなどがあるそうです。
詳しくはネットで調べてください。

問題は、この薬には重大な副作用の疑いがあるということです。
念のためにいえば、その疑いが事実なのかどうかは、ここでは問いません。
私には全く評価能力がないからです。
それに、薬は当然、副作用を持っていますし、それは人によって全く個別に発現しますので、
素人の私が議論すべきテーマではありません。

ここで問題にするのは、次の点です。
1999年にアメリカのコロンバイン高校銃乱射事件の主犯者はSSRIの一つである、ルボックスを服用していました。
そしてその服用と銃乱射の因果関係が裁判で争われたのだそうです。
その裁判の結果、ルボックスの製造会社であるアメリカのソルベイ社は、2002年にルボックスの国内販売を止めたのだそうです。

私が疑問に思うのは、止めたのは「国内販売」だけという点です。
その後も輸出はされているようです。
日本では、アステラル製薬が今でもルボックスを販売しています。
ネットで調べても、ルボックスがアメリカで販売停止になっていることはわかりません。

アメリカの企業にとって、国内市場と海外市場は別物なのでしょうか。
薬品に限った話ではありませんが、この話題は以前からよくありました。
遺伝子操作したトウモロコシは海外輸出用などという類の話は決して少なくありません。
極端に言えば、アメリカには生活者が住み、海外には消費者が住んでいると考えているのではないかと思わせるような話です。

日本の厚生労働省は、こうした問題をどう考えているのでしょうか。
薬害事件の根幹に関わる問題ではないかと思います。
フィブリノゲン問題の時に比べて、厚生労働省が変わったと、どうも確信できません。

ホームページには書きましたが、12月4日の日経新聞には全面2頁にわたる、「仕事とメンタルヘルス2008シンポジウム」の広告特集がありました。
10月31日に開催されたシンポジウムの記録です。
タイトルは「正しい知識と適切な体制を構築 うつ病の理解促進」。
パネリストには医師や研究者、企業のメンタル担当者、厚生労働省の課長などが参加しています。

その広告主は、ソルベイ製薬、アステラス製薬、損保ジャパンです。
そのシンポジウムは、メンタルヘルスがテーマですから、もちろん上記のような問題は触れられていませんが、SSRIに関しては、とても好意的な紹介がなされています。

そこには薬学の専門家は一人もいません。
厚生労働省の人は、労働衛生課長ですからたぶん「労働省」系の人でしょう。
ここに、もしかしたら大きな落とし穴がありそうです。
つまり、製薬関係の人たちは、スポンサーサイドにしかいないわけです。
ちなみに、シンポジウムの内容は、日経ネットで公表されていますのでお読みください。

ネット検索をしていたら、薬害オンブズパーソン会議が、今年5月に、「抗うつ薬SSRIに関する要望書」を、厚生労働省、法務省、日本弁護士連合会へ提出していることを知りました。
そこで、「SSRIによる衝動性亢進(自殺・自傷行為・他害行為)と犯罪との関連および本剤による性機能障害の実態把握のための調査を行うこと」を要望しています。
それに対するソルベイ社などからの回答書も同会議のホームページに掲載されていますが、問題認識はすれ違っているようです。

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