■節子への挽歌473:雪絵ちゃんの願い
節子
いつかこの挽歌に登場した郁代さんのお母さんの大浦さんが、山元加津子さんのことを教えてくれました。
山元加津子さんは、石川県加賀市の養護学校の先生です。
そこで出会った仲間たちのことをまとめた「本当のことだから」を、郁代さんは読んで励まされていたそうです。
その本が、「1/4の奇跡~本当のことだから~」という映画になり、いま各地で自主上映会が広がっているようです。
それに関しては、「たんぽぽの仲間達」に詳しく書いてあります。
来年の2月7日には、サントリーホールで講演会&コンサートも予定されています。
山元加津子さんは各地で講演もされていますが、そこで聴いた話を大浦さんは一部、伝えてきてくれました。
そこに「雪絵ちゃんの話」が出てきます。
雪絵ちゃんは、多発性硬化症という病気で、熱が出ると、目が見えなくなり、手や足が動かしにくくなるという病気だったそうです。
雪絵ちゃんは口癖のように
「私は病気であることを後悔しないよ」と言っていたそうです。
山元さんが、「どうして?」と聞くと、
「だってね、病気になったからこそ気がつけたことがいっぱいあるよ。
もし病気でなかったらその素敵なことに気がつけなかったと思う。
私は、気がついている自分が好きだから病気でよかった」
と雪絵ちゃんは言ったそうです。
その雪絵ちゃんが書いた「ありがとう」という文章があります。
私決めていることがあるの。「ありがとう。もういいよ。休もうね」
この目が物をうつさなくなったら目に、
そしてこの足が動かなくなったら、足に
「ありがとう」って言おうって決めているの。
今まで見えにくい目が一生懸命見よう、見ようとしてくれて、
私を喜ばせてくれたんだもん。
いっぱいいろんな物素敵な物見せてくれた。
夜の道も暗いのにがんばってくれた。
足もそう。
私のために信じられないほど歩いてくれた。
一緒にいっぱいいろんなところへ行った。
私を一日でも長く、喜ばせようとして目も足もがんばってくれた。
なのに、見えなくなったり、歩けなくなったとき
「なんでよー」なんて言ってはあんまりだと思う。
今まで弱い弱い目、足が、どれだけ私を強く強くしてくれたか。
だからちゃんと「ありがとう」って言うの。
大好きな目、足だからこんなに弱いけど大好きだから
「ありがとう。もういいよ。休もうね」って言ってあげるの。
たぶんだれよりもうーんと疲れていると思うので……。
節子のことを思い出しました。
長くなるので、後半は明日にします。
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