■節子への挽歌489:年賀状がまだなじめません
今年は年賀状を1枚も書きませんでした。
年賀メールもやめました。
喪はあけていたとはいえ、その気になれなかったからです。
年賀状が届きました。
読んでいて、やはり何となく心になじみません。
「お変わりなくご活躍のことと思います」
「今年も良い年になりますように」
「いかがお過ごしですか」
「新春のお慶び申し上げます」
ひがみっぽくなっているせいか、どうしても心に引っかかってしまうのです。
「あけましておめでとうございます」という文字までもが、何回も読んでいるうちに、気になりだす有様です。
なんとまあ、自分勝手なことかと思うのですが、それが正直な気持ちです。
私の気持ちはまだ、喪中なのでしょう。
喪中。
喪に服する期間は普通長くても1年とされています。
しかしどうも1年では足りません。
私の場合は、もうしばらくかかりそうです。
せっかくいただいた年賀状なのですが、素直に読めないのです。
私自身、そんなことなど全く考えもしないで、これまで年賀状を出していましたが、
愛する人を失った人の気持ちは、1年では元に戻れないのです。
節子が、前年にもらった年賀状を読み直しながら、1枚1枚、年賀状を書いていたことの意味が、少しわかった気がしました。
送ってくださった方には大変申し訳ないと思いますが、
お返事をしばらく書けそうもありません。
お許しください。
それにしても、年賀状って、いったい何なのでしょうか。
これを契機に、年賀状はもうやめようかと私は思い出しています。
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コメント
新しい年になりましたね。
昨日のリユ・シフアさんの詩を読ませて頂いて、
私の中にいるのは私だけではない・・・・いつも
思ってることを、指摘されたようでドキッとしました。
昨年主人がいなくなってから(今だに亡くなったと
言えません)何をしていても主人のことは心にある
のです。そうですね、きっと私の中にいるんですね。
と、思いながら今日のブログを読ませて頂いて、また
ドッキリです。年賀状がなじめないというお話。
うちは今年が喪中でしたからもちろん年賀状はほとんど
きませんが、やはりお知らせが行かなかった方達から
頂きました。それについては「ああ・・この方の
中では主人はまだ元気でいるんだ」と嬉しいような
気持ちにもなりました。これから寒中見舞いでお知らせ
するのはつらい仕事ですが・・・
と、年賀状のことではないのですが、佐藤様が世間で言う
喪に服する期間が過ぎても・・・というくだりです。
そうなんです。世間でもうそろそろ元気になってもいいの
ではないかという時期だとかそういうのは当事者に
とっては何の意味もないということです。虚しくなって
しまうと世間とは隔絶されてしまうのでしょうか。。
私はあれ以来なんだかとても我儘になってるような気が
します。色々慰めの言葉を聞いても「そうじゃなくて・・
」とか「そんなに単純じゃなくて・・」とか「そんな
ふうにいくものじゃなくて・・・」とか、もちろん表面的
にはお話を合わせてはいるものの心の中ではちっとも
うなずいていないんです。なんてまあ我儘なと思うのですが。
私自身だって、こういう立場になる前は親切のつもりで
悪気もなく心ない慰めを言っていたに違いないのですが。。
ほんとに情けないことに、今は心が乗っていかないのです。
特に、世の中が楽しげであったりお祝いムードであったり
する時は背中をむけてできるだけ静かにしていようと
思ってしまいます。
元気はつらつだけが取り得だったんですが・・・
私の中の主人は居るのですが、主人の中にいた私は
どこかへ行ってしまったような頼りなさを感じます。
お正月早々うっとおしいお話で申し訳ありません。
幸い、お正月三が日はよいお天気でしたね。
そちらからの日の出を私も拝ませていただきました。
佐藤様にとって心が安らかな日が多い一年の始まり
でありますように。
投稿: 田淵 マサ子 | 2009/01/03 19:48
田淵さん
ありがとうございます。
私もまさに「わがまま」というか、ひがみっぽくなっているというか、素直に言葉を受け取れなくなってしまっています。
しかし不思議なもので、人によっては同じ言葉でも素直に入ってくるのです。
もしかしたら、私の中にいる節子が反応しているのではないかと思うこともあります。
自分の中にいる感覚は時間の経過と共に強まっているような気がします。
もっとも中にいるために、夫婦喧嘩ができないのが残念ですが。
投稿: 佐藤修 | 2009/01/04 07:50