■節子への挽歌494:海外からの便り
節子
エジプトの中野ご夫妻から、恒例の年賀状が届きました。
今年の写真は、サン・アル・ハガルにあるラムセスⅡ世神殿跡のレリーフでした。
サン・アル・ハガルには行ったことはありませんが、エジプトを満喫している中野ご夫妻がうらやましいです。
エジプトは魅力的です。
私が会社を辞めた時に、わがままを言って、家族でエジプトに旅行しました。
その時にガイドしてくださったのが、中野さんです。
それが縁で、ささやかなお付き合いが始まりました。
中野さんご夫妻はカイロにお住まいですが、毎年、日本に帰国されており、湯島のオフィスにも来てくださいました。
ご夫妻は、カイロを拠点にいろいろな活動もされているのです。
バレンボイムのDVDを教えてくださったのも、中野ご夫妻です。
エジプト旅行はたくさんの思い出があります。
ルクソールからカイロに向かう列車から見た、日の出の美しさは今でも覚えています。
いつかまた行きたいと思っていましたが、節子がいなくなったいま、果たせぬ夢になってしまいました。
中野さんからの手紙には、節子のことに関して、
「ご連絡をと思いながら、思うに任せず、ご連絡できませんでした」
と書いてありました。
そうですよね、
訃報が届いたらどう返事を書いていいか、悩みますよね。
同じ日に、マレーシアのチョンさんからメールが来ました。
昨年、電話で、節子のことを話した時、チョンさんは絶句してしまい、以来、連絡が途絶えていました。
奥様が亡くなってから、どんなふうに言葉をかけたらよいのか、ずっと悩んでいましたが、佐藤さんも昔のように一日も早く元気になれればと思います。
チョンさんは、この挽歌も少し読んでくれていますが、ようやく声をかけられる状況になったのかもしれません。
どんなふうに言葉をかけたらいいか。
その気持ちはよくわかります。
私もそうですが、意を決して声をかけた後に、あれでよかったのかな、などと悩んでしまうこともあります。
チョンさんは前に書いた呉さんと同じく、日本に来ていた頃、留学生サロンに来てくれた人です。
チャンさんの博識と明るさが、節子はとても好きでした。
いまはインドネシアで仕事をしています。
海外からのメールといえば、ジュネーブの矢野さんからも年始のメールをもらいました。
ブログを拝見していて、少しずつお元気になられているご様子で、
良かったーと思っているところです。
いろんなところで、私たちを支えてくれている人がいると思うだけで、元気が出てきます。
そろそろ私も、心遣いされる側ではなく、心遣いする側にまわらないといけません。
節子がいなくなってから、どうも心遣いされることに慣れきってしまっていますが、そろそろそこから抜け出ないといけません。
節子さん
後押ししてくれませんか。
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