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2009/01/31

■政治が語るべきは手段ではなく目的

「今頃何を」という話は多いのですが、最近、鳩山総務相が強い疑義を表明して話題になっている「かんぽの宿」施設の一括譲渡問題も、そのひとつです。
小泉政権下で規制緩和の旗振り役だった宮内義彦さんが会長をつとめるオリックスの100%子会社オリックス不動産が、郵政民営化で売却される全国の「かんぽの宿」の施設を丸ごと買い取るということが問題になっています。
遅きに失している感はありますが、規制緩和の旗の下で何が行われているかを象徴的に示す問題であり、是非もっと見える形にしてほしいと思います。

私はこうしたことに関しては、過敏に反応しがちなのですが、有識者然として世論を指導していた宮内さんとその取り巻きには昔から怒りを感じています。
私が好きな、日本の社会や文化、経済や企業を壊した一人だと思っているからです。
宮内さんに関しては、以前、そのコーポレート・ガバナンス論に関して批判したことがありますが、私の友人でさえもが、それを担いでいました。
民営化や規制緩和の本質は、その時にすでに見えていたはずですが、なぜかみんな黙認しました。
日本の企業が方向を変えてしまったのは、たぶん1990年代の中頃からではないかと思います。
彼は、それに加担しました。中谷さんの同類です。
その行き着く先が、アメリカ型の貧困社会だったわけですが、宮内さんや中谷さんは、おそらくそれを知っていたはずです。
しかし、私欲に負けてしまった。
そこに怒りを感じます。

昨日、53歳の男性が仕事はないかと相談に来ました。
面識のない人ですが、友人の紹介です。
お話していて、その誠実さがわかります。
誠実に仕事をしてきたのに、53歳になって会社から放り出されたのです。
今はとりあえずラーメン屋で働いているそうですが、今までの大企業とは全く違うでしょうと質問したら、頷いて、これほど差があるとは思っていませんでしたといいました。
お金は無くても生きていけるが、心身を壊すと大変だから、限界を超えた無理はしないように、そして奥さんとこれからの生き方を考えるといいと話させてもらいました。
日本には、まだいろいろな生き方の選択肢があるのです。

よく言われるように、日本の経済や社会を支えているのは、現場で汗している人たちです。
その人たちが、いま追いやられています。
その人たちへの感謝の気持ちは、宮内さんはもちろん、財界人や政治家には感じられません。
それがアメリカ型の貧相な貴族社会なのでしょう。

いつものように、また話が拡散していますが、そろそろ郵政民営化や規制緩和の罠に気付かなくてはいけません。
それらはいずれも「手段」なのです。
大切なのは、目的です。
宮内さんや西川さんのような、志やビジョンの希薄な人に、そうした大雑把な手段を与えるべきではありません。
政治が語るべきは、手段ではなく、目的です。
その目的が不在であるが故に、手段のプロである官僚が跋扈しているわけです。

鳩山総務相には少しがんばってもらいたいと思います。
今は、自民党とか民主党とかではなく、大切なのは官僚と経済人に乗っ取られた日本の社会を取り戻すことが大事になってきています。
民主党もまた、選択を誤ってしまったように思えてなりません。

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