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2009/02/18

■節子への挽歌535:吉野家の牛丼

昨日に続いて、節子の希望をかなえてやらなかったことシリーズの2回目です。

節子は吉野家の牛丼を食べたいといっていましたが、ついに食べることができませんでした。
1回ならず、何回か吉野家の牛丼を食べてみたいといっていましたので、本当に食べたかったにちがいありません。
食べたらたぶんいろいろ酷評しただろうと思いますが、
今となっては、一度、食べに行けばよかったと悔いています。

わが家はみんな「グルメ」ではありませんが、それなりに料理にはうるさいのです。
よく言えば、主張があるということでしょうか。
悪く言えば、感謝の気持ちが薄いのかもしれません。
特に、節子はうるさいタイプでした。
自分の料理の腕は棚に上げて、いろいろと論評が好きでした。
ですから、有名なお店に行っても、わが家の家族はほとんどの場合、満足しません。
まあ、あんまり高いお店に行ったことがないからかもしれませんが、グルメ評判のお店も見掛け倒しのことが多いというのがわが家族の共通の意見と言っていいかもしれません。
吉野家の牛丼を食べに行きたいなどと言うのでは、味覚も危ないものだなどと思われそうですが、まあそうかもしれません。
しかし、食材に関する味覚はそれなりにしっかりしていると、みんな自負しています。
もちろん私もです。
それもまた節子の影響です。

牛丼ではないのですが、節子はすき焼きが好きでした。
結婚する前に節子の実家に挨拶に行った日の夕食はすき焼きでした。
今でも覚えていますが、飲み物はビールに加えて、コーラが用意されていました。
当時、私がコーラ好きだったことを節子は実家に伝えていて、両親がわざわざ用意してくれていたのです。
たぶん節子の実家がコーラを買ったのは、それが最初で最後だったかもしれません。
節子は両親から、コーラは歯を溶かすから飲まさないようにいわれていたそうです。
そのせいかどうか、コーラばかり飲んでいた私は、その後、コーラをやめました。
おかげで、歯は今でも溶けていません。

何だか、また無意味なことを書いてしまっていますが、吉野家のことでわかるように、節子はその時々の話題は体験しようというタイプだったのです。
東京の八重洲のミレナリオにもつき合わされましたし、新装した丸ビルにもつき合わされました。
私も好奇心が旺盛だと思っていますが、節子のそれに比べれば、底が浅いです。
なにしろ私のは知的な好奇心で、節子にいわせれば、頭だけで実がないからです。
そういう、時に辛らつなアドバイスをしてくれる節子がいないのが、とてもさびしいです。
最近、読書をするようになりましたが、実際に話題の現場にいくことがなくなりました。
やはり節子は私の世界を大きく広げてくれていたのです。

吉野家の話が、全く別の話になってしまいました。
ちなみに、最近、わが家ではすき焼きが少ないです。

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