■「冗談のような現実」を創りだすコミュニケーション的言説政治
今日はいささか不謹慎なことを書きます。
麻生首相のこの数日の国会答弁はなかなか魅力的です。
あれほどの無邪気さやナンセンスさはなかなか演出できるものではありません。
最近少し好感を持ち出しました。
先日、民主党の前原さんが「やるやる詐欺」発言で物議を起こしましたが、
この時の2人のやり取りにも、奇妙な好感をもちました。
念のためにいえば、前原さんも麻生首相も、その考え方には全く賛成しがたく、2人とも私が最も嫌いな政治家に属します。
しかし、あの時の前原さんには初めて好感を持ちました。
詐欺し扱いされた麻生さんは最近逮捕された円天の社長以上の「詐欺師」だという気もしますが、一方ではさらにその上を行く詐欺師にして犯罪者(何回も書いているように、法律違反をいくつかしていると思っています)の小泉元首相に比べればたいしたこともないのかもしれません。
まあ、それは勝手な私の妄想ですが、最近の麻生首相の無邪気さに魅了されだしている自分に気づいて、いささか驚いています。
わが国の政治は、国民の心情に直接訴求する「コミュニケーション的言説」による政治へと変質していますから、むしろ小泉元首相がそうであったように、麻生人気が復活する可能性もゼロではないかもしれません。
国民の多くは、今の政治に信頼感を失っているといわれますが、その信頼できない政治を最高の政治責任者として茶化している麻生首相の言動は、まさにそうした民意を代表しているのかもしれません。
ともかく麻生首相は政治を過剰なほど楽しんでいます。
国民や国家のことなど考えておらず、潤沢な税金で豪遊しているような気がします。
駄々をこねる無邪気な、しかしちょっと大人の小賢しい知恵を植えつけられた子どものような振る舞いには、うらやましさも感じてしまいます。
それにしても、郵政民営化に自分は賛成ではなかったとよくまあぬけぬけと発言できるものですが、昨日の報道番組でのキャスターたちは、みんな絶句に近い感じでした。
1年後には、もしかしたら「定額給付金には反対だった」と麻生さんは言うかもしれませんが、何やら昨今の政治の本質を露呈しているような気もします。
こうした「冗談のような現実」は政治に限った話ではありません。
そう思って考えてみますと、企業や相撲界でも最近こういう話がたくさんあるようにも思います。
「冗談のような現実」を創りだすコミュニケーション的言説が、マスコミのおかげで蔓延しているわけです。
それを支えているのは「絶句」しているキャスターたちかもしれません。
まことにもって不謹慎なことを書いていますが、最近の素直な気持ちを書いてしまいました。
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