■100年に一度のチャンス
昨今の状況は、100年の一度の危機、だと言われています。
私は100年に一度のチャンスではないかと思います。
私の基本的な経済観は、私が会社を辞めた時から変わっていません。
当時はまだブログも書いていませんので記録はないのですが、ホームページ(CWSコモンズ)を書き出した頃にその発想を少しだけ書いています。
「今が不況だ、などと考えることをそろそろやめましょう(2002/2/10)」
当時も不況論が盛んに出ていましたが、問題は経済の枠組みの問題であって、目先の現象で考えては何も見えてこないのではないかと思っていました。
現在の経済の始まりは、1940年代のアメリカの経済政策の転換から始まったのではないかと思います。
つまり、市場(需要)拡大、いいかえれば消費主導の経済パラダイムです。
それに基づいて、企業の経営も変わりました。
ドラッカー経営学がその象徴ですが、「顧客創造」が起点に置かれたのです。
それが私たち日本人の生活を豊かにしてきたわけですが、その反面で豊かさを奪われた人たちは少なくありません。
なかなかそれが見えなかったわけですが、最近ではほぼ明らかになってきています。
しかも、市場拡大による豊かさの奪取は国内でも顕在化してきました。
いわゆる「格差社会」が見えてきてしまったわけです。
格差は限度を超えると、全体の安定性を壊していくことはいうまでもありませんが、それを管理する事ができなくなってしまったのが現状なのかもしれません。
もしそうであれば、「成長」や「経済」そのもののあり方を考え直すべきです。
景気浮揚が問題ではなく、経済のあり方が問題なのです。
そう考えると、問題の立て方は全く違ってきます。
昨今の状況は、これまでの経済のあり方の問題を顕在化させています。
だとしたら、また元に戻るのではなく、新しい経済を考えるチャンスにするべきではないか。
そうした「大きな物語」が今こそ必要なのではないかと思いますが、どうもみんなの関心は目先の景気建て直しです。
「大きな物語」の時代は終わったというのが大方の意見ですが、いま必要なのは「大きな物語」なのです。
長期に考える余裕などない、といわれそうですが、長期を考えてこそ、目先の問題への処方箋が見えてくるはずです。
いまこそ、私たちの「消費生活」を見直すチャンスではないかと思うわけです。
私たち一人一人ができることはたくさんあります。
それは、無駄遣いをすることでは決してないと思います。
私は20年かかって、自分の生き方を変えてきました。
しかし、自己評価的にはまだ目標の3割程度にしかたどりついていません。
50年先を見据えて、今ここでの生き方をどう変えていくか。
そういう時代を、私たちは生きているように思います。
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