« ■節子への挽歌566:怯えの時代の自由 | トップページ | ■節子への挽歌567:心地よい借金 »

2009/03/21

■定額給付金の使い方

テレビを見ていると、麻生政権はかなりの善政を行っているような錯覚に陥ります。
定額給付金をもらって嬉しそうにしているお年寄りや有料道路が1000円になったことを喜んでいる若い家族などが繰り返し報道されると、麻生さん本人でなくとも、なんとなく国民は喜んでいるという気になってしまいます。
何しろ国民からの税金を好き勝手に使えるわけですから(三分の二条項の乱用によってですが)楽な仕事です。集めたお金のわずかを大判振る舞いすればいいわけですから。
その一方で、与党の無責任な散財ぶりを批判している民主党に対しては、厳しい目を向けてしまいます。
やはりお金を持っていないとみんなからは好かれないのでしょうか。
昔は「勝てば官軍」などといわれましたが、今は「持てば官軍」なのです。
お金の威力はすごいです。

定額給付金に関しては、早速に詐欺事件が発生し、被害にあったお年寄りもありますが、詐欺まがいのような動きはこれからたくさん出てくるでしょう。
大学教授やNPOの有志が、定額給付金基金なるものを発足させたと言う話もあります。
すでにもう募金した人たちが出ており、マスコミでも取り上げだしていますので、きっとどんどん集まるでしょう。
しかし、ささやかにNPOなどに関わっている私としては、その胡散臭さを強く感じます。
呼びかけ人には私の面識のある人が2人もいるのに驚きますが、やはりそうかと思わざるを得ません。
どこが胡散臭いかは、ホームページを読んでみてください。
胡散臭いと思うのは、私だけかもしれませんが。

NPOにお金が絡みだすといいことはありません。
それはグラミン銀行のユヌスさんがいうように、「堕落への道」を開いていくからです。
投げ銭するように寄付をしてはいけません。
それに最近のNPOの多くは、金銭まみれで付き合っていて楽しくありません。
寄付をするのであれば、きちんと相手の目を見て、効果的に使ってもらえるかどうか見極めなければいけません。
たしかに定額給付金は降って湧いたような「あぶく銭」でしょうが、お金を使う倫理観は失ってはいけません。
そうやって規律を壊していくのが、ばらまき施策の目的だからです。

定額給付金をもらったら燃やすのが一番良いような気もしますが、私は最近、収入がないのでいささかいじましくなっており、燃やす元気がありません。
ちょうどいま関わっているNPO関係のプロジェクト費用が数万円ほど足りないので、それに充当しようかとも思いますが、もし私が充当すると同じく参加している人たちにもそこに寄付しないといけないと思わせるかもしれません。
誰にも知られずにこっそりどこかに寄付する方策もありますが、それもなんとなく抵抗があります。
受け取り辞退という案もありますが、昨今の政府の状況を見ていると、税金さえも払いたくない気分ですので、それも避けたいです。
そう考えていくと、結構、難問ではあります。
さて、みなさんはどうされますか。

なんだか自分の生き方を問われているような気がしますね。
麻生さんが自らの「さもしさ」を露呈したように、私も自らの「さもしさ」に気づかされそうです。

|

« ■節子への挽歌566:怯えの時代の自由 | トップページ | ■節子への挽歌567:心地よい借金 »

政治時評」カテゴリの記事

NPO時評」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ■定額給付金の使い方:

« ■節子への挽歌566:怯えの時代の自由 | トップページ | ■節子への挽歌567:心地よい借金 »