■人の噂も75日ですが、一度落ちた信頼は回復しない
人の噂も75日、です。
いつの間にか、年金の話も日本郵政の話題も聞こえてこなくなってしまいました。
小沢さん秘書事件はどうなったのでしょうか。
検察は黙して語らず、です。
小沢さんの説明責任が今なお話題になっていますが、説明すべきはいつも「権力側」でなければいけません。
堀田元検事は、説明する必要はないなどといっていますが、権力側に長くいるとそういう感覚になるのでしょう。
こういう権力の寄生者は糾弾すべきだろうと思いますが、マスコミでは誰も批判しません。
堀田さんとは、ある研究会で何回かご一緒し、そのお人柄には少し触れましたが、であればこそ残念でなりません。
噂は消えますが、一度壊された信頼関係は修復できません。
それこそが権力の巧妙なところです。
小沢さんを失脚させる意図はすでに成功したのです。
あとはもう噂が消えるのを待つだけなのでしょう。
権力のおこぼれで生きていかねばならないマスコミは、そのお先棒を担いでいるだけなのでしょう。
ですから年金もかんぽ問題も、すべては何も変わらずに継続するのです。
小泉政権は55年政治体制を壊したといわれますが、結局は巨額な借金を残して、そのかなりの部分を一部の取り巻きの私腹を肥やしただけでしょう。
財政改革とは全く正反対のことをし、日本の社会を壊しただけです。
そして今また、それを与謝野さんがやろうとしています。
金で権力を維持するには膨大な金がかかるわけですが、それにしてもどこまで私たちの税金をつかえば気がすむのでしょうか。
ひどい人たちです。
ともかく未来の世代からの税金を勝手に浪費している悪人たちを毎日見ていると、つくづく近代国家の役割は終わったなと思います。
私は以前あるところに書いたことがありますが、戦後のシャープ勧告による税制の体系が地方自治を壊し、日本の社会の形をゆがめたのだろうと思っています。
近代主権国家は、その出発点において、一部の権力者のためのものに方向づけられてしまいましたが、改めて18世紀の世界に戻って、もう一つのシナリオだった、個人のつながりからの国家原理を考えなおす時期ではないかと思います。
トクヴィルの「アメリカの民主主義」には、新しい国のあり方のヒントがたくさんあるように思います。
もちろん反面教師的なものも含めてですが。
いずれにしろ、権力は、常に自らの行動を国民にきちんと説明しなければいけません。
説明すべきは検察であって、小沢さんではありません。
小沢さんを自分に置き換えてみれば、それは当然のことではないかと思うのですが、なぜか責められているのは小沢さんです。
まさに今の社会のいじめの構造です。
寄って集って権力に迎合して、被害者をいじめる。
悲しい人たちの集団に、日本は成り下がってしまいました。
その一人であることが、最近は息苦しくて仕方ありません。
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