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2009/04/08

■4つのNPOタイプ

昨日、介護と子育ての分野で活動している人たちをお引き合わせしました。
いろいろな議論がでてきたのですが、一方は子供から、一方は介護から、活動に取り組んでいるのですが、その目指すところはほぼ同じであることをお話を聴いていて改めて感じました。
おそらくそれが「市民活動」の意味なのでしょう。
個別問題に取り組んでいると、必ずその問題を起こしている社会に目が行きますから、問題は近づいていくわけです。
実は、それこそが私が「大きな福祉」で考えていたことです。
しかし、現実のNPOの中には、個別問題に埋没してしまい、社会が見えなくなってしまっているものもあるように思います。

昨日の2つのグループは、ひとつは30年以上前から、もうひとつはできてからまだ10年弱のところです。
その違いも議論を聞いていて面白かったです。
私は第1世代、第3世代と呼んでいますが、目線や社会観が全くといっていいほど違うのです。
どちらがいいとか悪いとか言うつもりはありませんが、その違いはなかなかかみ合わないでしょう。
私は第1世代は「慈善活動」、第3世代は「コモンズ活動」と考えています。
ちなみに、第2世代は「翼賛活動」といっていいかもしれません。
行政が下請けとして作り育ててきたNPOです。
1970年代に広がったコミュニティ政策の中からたくさんのそうした活動が生まれました。
私が一番苦手とする活動です。

市民活動や住民活動は、いま大きな岐路にあるように思います。
金銭至上主義のながれのなかで、自立していくのはとても難しいのです。

昨日の集りには、もう一人、若い社会起業家も参加しました。
その人の考えも、上記のそれぞれと違います。
社会起業家の活動(まだ日本にはあまりないように思います。マスコミが紹介しているもののほとんどは従来型の企業ベンチャーがほとんどです)は、私は第4世代と位置づけていますが、そうした視点からこれまでのNPOの活動を見ると、たぶんその限界と可能性が整理できます。

そうした4つの活動の違いは、たぶん、社会をどう捉えるかに関わってきます。
4時間以上の長い議論でしたが、いろいろなことに気づかされました。

もしかしたら、ここから新しい子育ての動きが起こるかもしれません。
話だけで終わるかもしれません。
少子化が問題になっているのに、誰も真剣に取り組む人はいませんが、誰か取り組む人はいないでしょうか。
昔考えた、ソーシャル・フォスターリズムを思い出しました。

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