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2009/04/06

■北朝鮮の存在価値

北朝鮮のミサイル発射事件の直後、テレビの番組で、「日本の防衛費を増額すべきかどうか」という視聴者電話調査をしていました。
60%以上の人が、防衛費増額賛成でした。
この番組のディレクターのような人たちが、数十年前に日本を戦争に導いていったのでしょうね。
さすがに出演していたコメンテーターも、やや引き気味でしたが、キャスターたちは何とかして防衛費増額につなげたいと一生懸命話していました。
こういうことが多いので、最近はテレビを見るのがいささか憂鬱です。

最近、「社会をつくる自由」という、竹井隆人さんの本を読みました。
そこに、こんな文章が出てきます。

人民の直接的支持を得ているはずの数々の政権が、人民を虐げ、ろくでもない末路をたどったものは少なくない。
つまり、住民投票のような参加をいかに推し進めても、その場の「雰囲気」に押し流されてしまう可能性が高いのであって、人々が十分に議論を尽くす「熟議」が必要なのだ。
ナチスもまさに民主的な制度の中から生まれたことを忘れてはなりません。
世論調査なる代物が、最も危険なものなのです。
その気になれば、どんな世論もつくれることは、ナチスの歴史が示しています。
それに抗するには、自らのしっかりした見識を持つことです。
そしてそのためには、自らの世界を常に開いたものにしておくことです。

北朝鮮の現政府が存続しているのは、世界にとって「存在意義」があるからです。
そのことを、今回の事件は顕在化させてくれたように思います。

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