■節子への挽歌589:熊本城での節子の「浮気」
昨日の集まりの会場は、熊本城のすぐ近くでした。
残念ながら城内には入れなかったのですが、宮田さんにぐるっと周りを案内してもらいました。
その時に、思い出したことがあります。
昨日、書いたとおり、熊本には節子と一緒に来たのですが、宿泊した翌日の午前中、私は仕事がありました。
その間、節子は一人で熊本城に行ったのです。
午後に節子と落ち合ったのですが、そこで節子がうれしそうに話したことを思い出しました。
熊本城で男性に声をかけられて珈琲を一緒に飲んできた、というのです。
節子にしてはめずらしい話なのです。
節子は、どんな話をしてきたのでしょうか。
たぶんその時、話を聞いたのでしょうが、いま覚えているのは、男性にお茶を誘われたのよ、と笑いながら話す節子の笑顔だけです。
今にして思えば、もっと真剣に話を聞けばよかったような気もします。
なにしろ節子にとっては、たぶん最初にして最後の体験だったでしょうから。
節子には「浮気」という言葉は、全く無縁でした。
しかし、その理由は、私を愛していたからではありません。
「男の人と付き合うのはめんどくさい」
それが、節子が私だけを相手にしていた理由です。
私と付き合うのはかなり「めんどうだった」ことの結果かもしれません。
カウンタカルチャーかぶれの若い頃の私との生活は、それなりに苦労したはずです。
今のような、きわめて「常識的な人間」になったのは、たぶんに節子のおかげなのです。
それにしても、熊本城で、見知らぬ男性と珈琲を飲んでいる節子。
全く想像できない情景です。
ちなみに、そんなことで、私と節子とは一緒に熊本城に行ったことはないのです。
今回、その気になれば熊本城内にも行けたのですが、止めました。
来世に、節子と一緒に行くことにしたのです。
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