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2009/04/20

■NPOの2つのミッション

昨日、討議型コムケアフォーラムというのを開催しました。
私のホームページに案内が出ていますが、
テーマは「NPO活動(市民活動・住民活動)が育む市民性を考える」でした。
3時間にわたる熱心な議論で、私もたくさんの刺激を受けました。

問題提起者は田中弥生さん(「NPO新時代」の著者)です。
田中さんは昨今の日本の社会にかなりの危機感を持っており、その話しぶりにも「思い」を感じました。
田中さんは、NPOの役割には2つあるといいます。
「社会サービスの提供」と「市民性創造」です。
そして最近の日本のNPOの動きは、市民性創造の面が弱くなっているのではないかといいます。
その現われの一つが、寄付活動とボランティア参加者の停滞です。
社会的企業が最近話題になってきていますが、
それに関しても考えるべき点があるのではないかと、いろいろと具体的に話してくれました。
そして最後は、社会サービスとともに「市民性創造」という重要な使命をもった民間非営利活動(市民活動・住民活動)こそが、これからの日本社会を支えていくと締めくくりました。

とてもわかりやすくて、説得力がありました。
田中さんの問題提起に続いて、参加者が自らの体験者を踏まえながら話し合いをしました。
参加者が20人を超えてしまったために、じっくりと議論するまでには至りませんでしたが、刺激的な3時間でした。
田中さんの考えを詳しく知りたい方は、ぜひ「NPO新時代」をお読みください。

田中さんは講演者としてではなく、みんなの話に誠実に耳を傾けてくれました。
コムケアはみんな同じ目線で考えるということを大切にしていますが、
田中さんのような研究者と現場での実践者が仲間として交流できる場がもっともっとあるといいと思いました。

コムケア以外の参加者の方から、NPO活動になかなか人が集められないという発言もありましたが、多分、「集める」という発想に原因があるような気がしました。
価値のある活動は、人を集めなくても、人は集まるのです。
NPO活動、とくにNPO支援活動やネットワーク活動をしている人たちは、ともかく人を集めたがりますが、その発想こそが今の社会を創ってきたことに気づかなければいけません。
そうした拡大成長や形を整える社会で育ってきたシニア世代が、日本の住民活動を壊していかなければいいのですが。

人が集まらないのは、その活動に価値がないだけのことなのです。
それに気づかずに、唯我独尊の活動をしているNPOがいかに多いことか。
気づかないのはいいのですが、集まらないのは住民の意識が低いからなどと考える人が多いのが気になります。
この15年、各地のNPO活動にささやかに関わっていますが、市民性とか社会性が欠落しているところが多すぎます。
人としての付き合いの基本常識さえ欠落しているところも少なくありません。
そんなわけで、NPOに関われば関わるほど、NPO嫌いになってきていますが、それにも関わらずNPOに期待しなければいけないのも事実です。
そんなわけで、私もNPOを創ったりしているわけですので、悩ましいです。

市民性や社会性を育てていくこと。
私もそこにこそ未来を感じています。
昨今のNPOが、それとは違う方向に向いているような気がして、少し心配です。

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