■私たちの「食べ方」で農業の未来は決まる
「農と業を分けて考える」を読んでくださった岐阜の佐々木さんが、中日新聞の4月19日の社説の文章を送ってきてくれました。
2つの言葉をぜひみなさんにも知っていただきたくて、引用させてもらうことにしました。
ひとつは、今春、中日農業賞の農水大臣賞に選ばれた、石川県能美市の岡元豊さん(39)の授賞式でのスピーチの言葉です。
「農業とは“いのち”を伝える職業です。これまでは、次世代のために農業の種をまくことを心掛けてきましたが、これからは、その種を育て、実らせていくことを考えたい」
もうひとつは、審査委員長の生源寺東大農学部長の祝辞の言葉です。
「日本の農業を支えているのは食卓です。私たちの“食べ方”で農業の未来は決まります」
50年ほど前までは、こうした言葉が現実でもあったように思いますが、今は残念ながら、こうした文化は消えてしまっています。
しかし、これからの私たちの生き方がここに示されているように思います。
2つの言葉をつなげれば、私たちの未来は、私たちの「食」のあり方にかかっています。
一時期、「食育」がブームになりました。
私も実は最初とても大きな期待を持ちましたが、所詮は「産業のための食育」のような気がして興味を失ってしまいました。
しかし、「食育」は本来、こうした「文化」につながらなければ、逆効果のような気もします。
言い方を替えれば、こうした文化の回復にこそ、「食育」の目的が置かれるべきだろうと思います。
食材の4割が廃棄されるような食文化には、未来もなければ文化もありません。
農や食の問題を考えることは、いのちと未来を考えることなのだと、この社説を読んで改めて思いを深めました。
ブログを書いていると読者の皆さんから、いろいろと教えてもらうことが多いです。
佐々木さん
いつもありがとうございます。
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