■節子への挽歌588:熊本でのコンサート
節子
久しぶりに熊本に来ています。
熊本の仲間が企画してくれた集まりに参加させてもらったのです。
福岡のハーモニカの西川さんも来てくれました。
熊本には何回か来ていますが、最後にきたのは節子と一緒でした。
私は仕事で、たしか保育園関係の集りで講演させてもらったのですが、その時、節子も同行し、翌日、阿蘇山に行ったのです。
地獄温泉に宿泊しました。
道路沿いの川辺の露天風呂に入浴したのも思い出の一つです。
宿泊した朝、旅館の庭を掃除していた60歳くらいの男性と少し話をしました。
その人は生まれてずっとここで生活していて、熊本市にも下りたことがないと言うのです。旅館の庭掃除をするのが日課であり、ほぼすべての人生なのだそうです。
感動しました。
節子に、2人でこういう生き方をするのは最高だねと話したら、節子はあなたには無理でしょう、といわれました。
おそらく、節子にも無理だったでしょう。
人には、それぞれ自分に合った生き方があるものです。
しかし、だからこそ自分にはできない生き方に憧れるのかもしれません。
ところで、私たちはそれぞれ自分たちに合った生き方をしてきたでしょうか。
節子を、無理やり私の生き方に合わさせていたことはないでしょうか。
時々、思い出しては、少しだけ後悔することもあります。
どう考えても、私たちの生き方は、私寄りでした。
節子は、楽しんでくれたでしょうか。
今回の集まりは、コムケアフォーラム in 熊本ですが、第1部は持ち寄りコンサートでした。
元ツイストのメンバーだった作本さんが、みずからの人生を振り返って創ったという「フォー ユー」を熱唱してくれました。
なぜか涙が出ました。
なぜでしょうか。
音楽は不思議です。
西川さんのハーモニカは、いつものことながら心に沁みますが、今日は涙の世界に陥りそうだった私を、いつもとは逆に救いだしてくれました。
本当に音楽とは不思議なものです。
8歳から90歳まで、今日はいろんな人に会いました。
みんなとても幸せそうで、とてもいい集まりでしたが、それが私にはなぜか悲しさを呼び込んでしまいました。
思っても意味のないことですが、ここに節子がいたらと思わずにはいられませんでした。
いつまでたっても、節子から離れられない自分がいます。
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