■298円のお弁当
コンビニでの格安お弁当が、連日テレビで報道されています。
私がそこから感ずるのは、「食」を大事にしない文化です。
つい最近まで盛んにいわれていた「食育」とか「食の安全」はどこに行ったのかと思います。
それは違う話と言う人もいるでしょう。
しかし、大切なのは「食」をどう考えるかです。
それぞれが作っていたら、こんなには安く、こんなお弁当はできないとテレビの中で女性が話していましたが、そういう発想にこそ落とし穴があります。
どうしてみんな「価格」でしか、ものを考えなくなってしまったのでしょうか。
食は、食べるだけの「えさ」ではありません。
食をつくることも含めて、そこには私たちの生き方と深くつながっています。
「食」をもっと大事にしたいと思います。
珈琲1杯よりも安いお弁当。
どう考えても、私には納得できません。
食は生命の基本であり、文化の基本です。
私たちはもっと基本的な「食」にお金を払う姿勢を持つべきではないかと思います。
お米の価格の安さにも問題を感じます。
食は、安ければいいわけではありません。
大切なのは、私たちが「食」をどう位置づけ、どれほどの「価値」を置くかです。
商品の価格体系には、私たちの文化が現われています。
私たちの生き方の反映と言っていいかもしれません。
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コメント
まったく同感です。
食の大切さより価格のみを見る風潮ですね。
その価値観が食にまで及んでいる…悲しいですね。
行列のできる~相談所という番組も話し合いによる解決ではなくて、賠償金を幾ら取れるかという前提で話が進められますし、開運~鑑定団なるテレビも金銭的相場を持って文化的価値まで図ろうとしている。
食に関する意識の低下も、安易な健康食品に頼ろうとする風潮も、価格が高いか安いかでしか物事を図れないのも嘆かわしい限りです。
投稿: 濱口昭宏 | 2009/04/16 09:36
濱口さん
ありがとうございます。
そういえば、開運~鑑定団なるテレビもそうですね。
ついつい抵抗なく見てしまっていましたが、考えてみるとたしかにおぞましい番組ですね。
ありがとうございました。
投稿: 佐藤修 | 2009/04/23 22:37
食事は文化だと思います。 五感を楽しませ、身体を作り、衣食住のなかでも最も大切だと思っています。
ご馳走と言ったり、医食同源と言うのは宜なるかなと思います。
私は庭の果物でジャムを作ったり、柚餅子を作ったり、池にはクレソンや芹、ニラは一年中あります。ハーブも色々あり、今頃は魚のムニエルに可愛い花の着いたチャイブをのせたりします。
きっと節子様も佐藤様の為に毎日心を籠めて作られた事でしょう。
投稿: maron | 2009/04/27 18:18
maronさん
わが家でも、ジャムは手づくりです。
近くの家の人が家でなった夏みかんをたくさん持ってきてくれるのですが、すっぱくて食べられないので、節子がジャムにしてお返ししたら喜ばれました。
その文化を、今は娘がついでくれています。
セリは私の好物なのですが、これは今年初めて庭の池の周りに植えてみました。
小さな人工池なのでどうなるでしょうか。
maronさんのお人柄が、今回のコメントで少し伝わってきました。
ありがとうございました。
投稿: 佐藤修 | 2009/05/06 20:28
佐藤先生と似たような記事を書いてしまいました。
でも価格が悪いのではないと思います。
価格を付ける者の価値観がおかしいのだと。
価格は価値を表すバロメーターですが、大切なものに価値を見出せないような流れがあるように感じます。
消費拡大のために価値のあまりないものに下駄を履かせるようなコマーシャリズムを、信じてしまう消費者の情報リテラシーの問題のようです。
私には何も出来ませんが、せめてネット上にささやかな意見を書いて異を唱えるのみです。
誰かがこれを読んで気がついてくれればいいなと思いながら。
投稿: 齋藤聖子 | 2009/05/17 10:53