■利他精神に基づいた超民主主義への期待
昨日、NHKテレビで、ジャック・アタリのインタビューが放映されていました。
アタリはフランスの経済学者ですが、その多彩ぶりは経済の枠を超えています。
昨日のインタビューでは最近の著書「21世紀の歴史」について語っていました。
アタリが10年ほど前に書いた「21世紀事典」という本もあります。
そこに「日本」という項目があるのですが、その書き出しはこうです。
21世紀のはじめの3分の1における完全な敗者である。こうまではっきりと言い切られるといささかムッとします。
そのせいでもないのですが、この本はそれ以来、読んでいません。
思い出して、またその項目を読み直してみました。
こんな記述もありました。
日本の民主主義はまだ成熟したものではなく、大方のところ腐敗した党派によって支配されており、没落を避けるためには、他国の思想、文化、産業に開放的になる以外、ほかの道はない。
私の意見とは正反対ですが、視点が全く違うのでしょう。
アタリは、金融資本の時代、超紛争の時代を経て、「超民主主義の時代」が到来すると考えます。
利他的精神(博愛精神)に基づいた民主主義秩序が実現するというのです。
利他的精神、言い換えれば「愛」の復権ですが、これはおそらく「近代の思想」とは全くパラダイムを異にします。
近代に埋め込まれている理念は「競争」ですが、利他の思想の理念は「共創」です。
「21世紀事典」で、近代人だと勘違いしていたジャック・アタリの新著「21世紀の歴史」を読んでみることにしました。
今日は自宅でだらだらと国会中継を見ていました。
今日の議論はかみ合っていて面白かったです。
日本の民主主義もそう捨てたものではないかもしれません。
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