■衰退途上国
昨日、匿名の方から、このブログに「なぜ、改革をするのか?構造改革の裏の主旨を疑います」というタイトルの長いコメントが投稿されました。
お読みになっていただけたでしょうか。
次の記事へのコメントです。
ワーキングプア、あるいは働くことの意味に対するコメントです。
コメントとしては、いささか異質なのですが、そこにはさまざまなデータが満載されていますので、できれば多くの方に読んでもらいたいと思い、投稿された方に、お願いして、私のホームページの方にも掲載させてもらう予定です。
読みようによってはかなり過激ですし、本人も認めているように「糾弾的な論調」です。
それに匿名ですから、私の「実名主義」のルールには反します。
ネットで調べてみたところ、投稿者はさまざまなところに投稿しているようで、いささか危ういところがありますが、まあそれはこのブログもたいして違わないので、今回はルールを超えることにしました。
当然ながら、この論調と私の意見は同じではありませんが、同感できるところが少なくありません。
最初の投稿記事の冒頭に、「所得再配分という名の搾取がまかり通っている」という、竹中平蔵さんの言葉が書かれていますが、昨今の構造改革の本質が、この言葉に表わされています。
投稿者は、こう書いています。
戦後、ながきに渡って作られてきた『一億総中流社会』を破壊した為に、一部の者達の所だけにお金と仕事が集中してしまって異常に豊かになり、そのせいで残りの者達が失業貧困に至り、総体としての国家は途上国化して衰退しています。
大筋、同感です。
この文の「途上国化して衰退しています」というのが、最近の日本社会の実態かもしれません。
発展途上国ならぬ、衰退途上国というわけです。
ジャック・アタリも、逆行しだした日本の経済を指摘していますが、みんなが汗して構築してきた日本の社会は壊されつつあるように思います。
社会が壊れれば、当然ながら、経済指標は下がりますが、社会を育てながら経済活動を縮小していくシナリオもあるはずです。
偶然なのですが、一昨日、技術者倫理に関わる集まりに参加していましたが、そこで久しぶりにお会いした技術士の方から、ポジティブな意味での「社会縮小」という言葉を聴きました。
本気で持続可能な世界を構想するのであれば、いまの経済を根本から見直さなければいけません。
時代は大きな変わり目にあります。
発想を変えなければ、私たちの未来は立ち行かなくなるのではないか。
そんな気がしています。
いささか煩雑な記事で、読みにくいとは思いますが、大きなメッセージを受け止めてもらえればうれしいです。
もちろん異論もあるでしょうが、時代の変わり目には、さまざまな視点や意見をしっかりと見回していくことが大事だと思います。
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