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2009/06/29

■友敵戦略と友愛戦略

政治では多くの場合、有名な「友敵理論」にしたがって、相手を批判することで自らのアイデンティティを高めていく手法がとられます。
敵がいればこそ、みんなを一体化させられ、支配されやすくできることはいうまでもありません。
ブッシュは自らの求心力のなさを、9.11事件で克服しました。
実にわかりやすい「敵」が発生したからです。
あまりのタイミングのよさに、9.11事件はブッシュの演出ではないかという説まで生まれました。

日本の民主党のリーダーの発言を聞いていて、いつも残念に思うのは、友愛を掲げながら、友敵理論で発言していることです。
民主党としては、今の状況では、あえて自民党を非難するのではなく、同情するほうが効果的です。
もう相手を批判することはありません。
勝負は決まったのですから。
今こそ、余裕を持って敵さえ愛する「友愛精神」を高らかに歌い上げる時期なのです。
弱いものをいじめたり非難したりするのは、見ていてあまり気持ちのいいことではありません。

オバマが、なぜあれほどの人気を得たのか。
その一つの理由は、オバマの演説には「敵」がいないことです。
ヒラリーと争っていた時には、オバマも「友敵理論」を踏まえていましたが、その優位性が揺るぎなくなるにつれて、次第に批判するメッセージは消えていきます。
そして、大統領就任演説では、まさに「友愛」が基調をなします。
彼は、敵を想定しなくても、アイデンティティを確立できたのです。
そのアイデンティティとは、すべてを包摂するアイデンティティです。
Yes, you can.というメッセージは、みんな「友」なのです。

民主党のリーダーは、もっとオバマのスピーチから学ぶべきでしょう。
「友愛」を口にしながら、相手を非難しては、いけません。

しかし、政治の世界で、「友敵」が「友愛」に変わることは手ばなしでは喜べません。
私は、オバマ大統領に大きな「胡散臭さ」を感じていますが、それは彼から感ずる「創られたカリスマ性」への違和感です。
彼は、時代の「悪」や「不善」に対置される存在です。
私は「胡散臭さ」を感じますが、ほとんどの人は、かれに「善」や「正義」を感ずるでしょう。
「愛」を感ずる人もいるかもしれません。
しかしそこにこそ大きな歴史の落とし穴があります。

ドイツをファシズム国家にしてしまったヒトラーのデビューも、もしかしたらオバマと同じだったのかもしれません。
私は、いまこそ「友愛」だと思っていますが、明らかな「友愛」でなければ、そこには大きな危険性が含まれていることも否定できません。

民主党のリーダーでは、岡田幹事長が一番信頼できますが、しかし、まだ岡田さんの目には、「愛」がありません。
岡田さんの表情は変わってきていますが、早く「愛の眼差し」を感じさせてほしいと思っています。
民主党に欠けているのは、「友愛」の心かもしれません。

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