■節子への挽歌638:なかなか枯れなかったバラの花
節子
しばらく初夏を感じさせるような毎日だったのですが、この数日、一転して肌寒い日がつづいています。
天気が悪いとやはり気分がふさぎます。
もう3週間前の話ですが、ジュンが大きな赤いバラの鉢植えを買ってきました。
とても元気で見事な一輪だったのですが、次の花が元気にまた咲き出すように、切花にして節子の位牌壇に飾りました。
ところが、その一輪の花がなかなか枯れないのです。
おそらく2週間近く、元気に咲いていました。
節子の好きな真紅のバラです。
なぜこのバラは枯れないのだろうかとジュンが不思議がっていました。
大輪の花で小さな花びんに入れていたのでいつも倒れそうでした。
咲き盛りの時に切り取ったのに、10日ほど見事に咲き続いてくれました。
毎朝、節子に般若心経をあげながら、そのバラの花にも声をかけていたのです。
その咲き続けるバラの花のことを先週書こうと思っていたのですが、なぜか忘れてしまっていました。
今朝、位牌壇にそのバラの花がないことに気づきました。
私が軽井沢に出張した翌日、枯れてしまったのだそうです。
悪いことをしてしまいました。
植物も心を持っていて、声をかけていると長持ちすると言われます。
私もオフィスの花でそれを体験していますので、花にはできるだけ声をかけるようにしています。
もしかしたら、位牌の前のバラの花には、節子が毎日声をかけていたのかもしれません。
花は枯れてしまいましたが、花を切った元のバラの木は新芽が伸びだして、また2輪、花が咲くようです。
枯れてもまた新芽が育ち、花も戻ってくる植物がうらやましいです。
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