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2009/07/27

■選挙協力の落とし穴

衆議院は解散されましたが、なにやら政治の世界は静かです。
時評しようにも評すべきことが起こりません。
喜ぶべきことでしょうか。
日本のマスコミは「政局」しか報道してくれないことが少しわかったような気もしますが。

選挙制度こそ問題だと考えている友人がいます。
最近、会っていませんが、メーリングリストで彼の意見はよく回ってきます。
彼は、最近、野党がもう少し効果的に選挙協力すれば、選挙結果は変わると、具体的な数字を用いて政党に呼びかける活動をしています。
とてもわかりやすく説得力があります。
たとえば、こんな記事を書いています。
民主党の比例区勝ち過ぎを修正することで、政権交代が確実になる

権力を持つものはまとまりやすいですが、権力を批判するものはまとまりにくいことは、否定できない事実です。
ここに問題の悩ましさがあります。

しかし、問題を政権打倒と設定すれば問題は簡単です。
反自民票を、複数の野党候補に分散させないように野党で一人だけ立候補を立てればいいのです。
そうすれば、小選挙区制のほとんどが今回は反自民で勝利するでしょう。
その視点で考えれば、野党の選挙協力は効果的な戦略になりますし、政権打倒はそう難しい話ではありません。
要するに、「勝つか負けるか」ですから、問題は簡単です。

政権打倒ではなく、政権交代という視点で考えると問題は複雑になります。
勝敗という二元論ではなく、どのような政権という、もう一つの構造要素が入ってきます。
つまり二次元問題ではなく多次元問題になるわけです。
よく勘違いされるのですが、交代とは「交代した後の実体」に意味があります。
「打倒」は目的概念ですが、「交代」は手段概念です。
たとえば「構想改革」も手段概念であり、みんな「改革」とはよくなることだと考えがちですが、大切なのは「誰にとって良くなるか」です。
小泉構造改革は金持ちと官僚とアメリカ資本にはよくなったでしょうが、多くの貧しい国民には悪くなりました。
つまり、改革や交代は両刃の剣なのです。
大切なのは「交代」ではなく、交代後の政権の「政策理念」なのです。
自民党から民主党に政権交代しても、共産党にとってはほとんど意味のないことです。
ですから選挙協力というのは難しくなります。

国民のほとんどは、しかし「政権交代」を目的概念化しています。
それほど自民党政権がひどいものになってしまっているという事実がそうさせているのかもしれませんが、「交代」の仕方もきちんと考えなければいけません。
そろそろ私たちも「交代」や「改革」という言葉だけで発想することから抜け出ないといけないように思います。

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