■「厚生労働省崩壊」と新しい芽
崩壊した厚労省に代わって新しい厚労省が生まれるためには、再生する力が必要です。その力は決して本省のある霞が開からは生まれてきません。どこから生まれるかというと、実際の問題を見ている現場からです。以前、このブログでも取り上げた木村盛世さんの書いた「厚生労働省崩壊」(講談社 2009)を読みました。 上記の文章は、その本の最後に出てくるものです。
私は、厚生労働省はそもそもの「ミッション」に違反している違法集団だと考えていますが、それにしてもこれほどなのかと思うほどの実態がそこには赤裸々に書かれています。
ここで書かれていることがすべてではないでしょうが、こうした組織がいまなお残っているのが不思議です。
日本の医療制度や保険制度がおかしくなるのは当然です。
日本の政治は、官僚の違法行為を防ぐこともできないほど、劣化しているのでしょうか。
この本は、たまたま厚生労働省のことが書かれていますが、おそらく他の省庁も大同小異でしょう。
その本を読んでいていささか憂鬱な気分になっていたのですが、最後に上記の文章に出会って、ホッとした気分になりました。
「実際の問題を見ている現場」から新しい厚労省が生まれてくる。
その言葉に、明るい先を感じます。
私の生活信条の一つは「解決策は現場にある」です。
現場で活動している人たちが健全なのは、そのせいだろうと思っています。
木村さんの救いは、現場に仲間がいることなのでしょう。
いまの日本の政府は、国民の生活現場から遠く離れています。
選挙を経ずに、内閣がこれほど変わっていては、国民の生活現場ともつながりようがありません。
いま選挙を行ったら、果たして郵政民営化は国民の支持を得られるでしょうか。
私には疑問です。
支配的統治のための官僚制度から、国民生活支援のための官僚制度に変えていくためには、木村さんが書いているように、「実際の問題を見ている現場」から制度を再構築していく必要があるでしょう。
そうした思いで行動している官僚(公務員)は決して少なくないと思っていますが、そうした人たちが柔らかなネットワークを組んで、実態を社会に公開していく仕組みができないものでしょうか。
昨日は佐藤優さんの有罪も確定しましたが、崩壊しつつある官僚制度にイノベーションを起こす人が出てきてほしいものです。
個人で鬱憤を晴らしているだけでは、おそらく何も変わらないでしょうから。
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