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2009/07/19

■2つの民営化

今朝はテレビ各局での政治関係の議論をみてしまいました。
基本的にやはり違和感があります。
たとえば、「民営化」に関する議論を聞いていて、やはり基本にすべき認識の不揃いを感じます。

民営化には2つのタイプがあるといわれます。
私の考えとはちょっと違いますが、それは「営利民営化」と「非営利民営化」です。
前者は、営利企業に資産を売却し、市場原理の中での営利行為に変えていくことです。
平たく言えば、誰かに儲けさせる利権を売るということです。
ですからそこで、儲け主義(代行)者の宮内さんや西川さんのような人が暗躍するわけです。
後者の非営利民営化は、たとえば、NPOや協同組合などに資産経営を任せるということです。
ここでは資本家が主役ではなく、理想的には国民すべてが主役になります。
平たく言えば、国民の財産の経営管理を国民に戻すということです。
両者の最大の違いは、その経営管理の実態を透明にするということです。
そして、もしおかしなことがあれば、だれでもが異議申し立てできるようにするということです。
一時期、流恋した「第3の道」政策がこれに当たります。
小泉郵政民営化は前者の典型です。
つまり政府がみんなの財産を勝手に誰かに格安で提供したということです。
格安で売ることを正当化するのは、彼らにとってはいとも簡単なことです。
この問題こそが、政治と金の核心です。
政治献金など、こうした政商的行動に比べたら、瑣末な話とさえ思われます。

私は、後者のものを「共営化」と呼びますが、それは「共」という概念が、私の基本的な生き方の根底にあるからです。
ですから、名称にはまりこだわりませんが、両者は、その基本において全く異質なものです。
つまり、「誰かのものにするか」「みんなのものにするか」という、対極のものなのです。
国民財産を奪取されるか、守るかの違いなのです。
にもかかわらず、それらが同じ言葉で語られているのが、私には理解できません。

民営化を語るのであれば、もっと概念を明確にして議論してほしいものです。
これは、ほんの一例です。
同じような無意味な議論が多すぎます。
テレビの政治関係の討論は、百害あって一利なしかもしれません。

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