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2009/07/22

■知的所有権などという小賢しい発想は間もなくなくなるでしょう

上田昌文さんの主宰する市民科学研究室では、『市民科学』という機関誌を毎月発行しています。
以前は、40頁ほどの雑誌で、1部200円だったそうです。
その後、記事や論文の導入部分だけをホームページで公開し、全文は会員がIDとパスワードを使ってダウンロードするというスタイルに変えました。
この方式はいま広がってきており、紙媒体の雑誌を郵送・配達する定期購読システムは減少する傾向にあるようです。
私が参加している団体でも、そうした動きが増えていますが、最初は紙媒体がないのが物足りませんでしたが、慣れてくるとむしろとても便利です。
また、たとえば私が比較的よく読んでいる(最近ちょっと退屈になりましたので、以前ほど精読していませんが)「軍縮問題資料」も、この記事はもっと多くの人に読んでほしいと思う論文があるときなど、ネットで読んでもらえればと思うことも多く、ぜひそうした記事はネットで公開してもらえないかと編集部にお願いしたこともありました。
残念ながら実現しませんでしたが、雑誌販売を事業と考えると無料で読めるようになれば収益性を低下させますので、難しいのかもしれません。
しかし、社会に向けてのメッセージ性の高い論文は、多くの人に読まれることが目的ですので、無料であろうと読者が増えることが書き手のモチベーションにつながるはずです。
たぶん活動資金をメッセージの購読者から得るという発想を変えなければいけないということです。

そうした問題を克服するためでしょうか、市民科学研究室では理事会での検討の結果、記事論文は無料で全文をウェブサイトで公開することに踏み切ったそうです。
私はこれを市民科学研究室のホームページで知りました。
私が思い描いていた方法そのものです。
ただそれを持続させることは簡単ではないでしょう。
ホームページには、なぜそうしたかに関して、「情報自体に対価をいただくのではなく、そうした情報を生み出す活動全体に対して支援をいただく」との考え方に基づいている、と書かれています。
上田昌文さんの活動は以前から関心を持っていましたが、最近忘れていました。
たまたま友人が、そこに掲載されている論文を教えてくれたのですが、そこで思い出してホームページを見て、こうした動きを知ったのです。

私は、以前も書いたと思いますが、知的所有権の発想が理解できずにいる人間です。
どんな素晴らしい知の発見であろうと、一人(1グループ)で発見することなどありえません。
知はすべてつながっていますから、その発見は個人や特定のグループの成果ではなく、人類の成果なのです。
利益配分をめぐって裁判などが時々起こりますが、私にはなかなか理解できない話です。
知は、誰かに属するのではなく、人類すべてに属しているはずです。

市民科学研究室の英断は、情報メディアや情報創造の問題にも大きな示唆を与えてくれます。
とても共感できる動きです。

もしよかったら、みなさんもこの運動を応援してください。
時々、そのサイトを開くだけでも応援することになるはずですので。

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