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2009/08/24

■政権交代の2つの次元

政権交代の意味については、山口二郎さんがとてもわかりやすく整理してくれています。

日本は長年、自民党が唯一の政権政党だったために、本来自発的結社であるはずの自民党と、公的な制度としての政府との間の境界が曖昧になり、官僚も、メディアも、政府というよりも、自民党の意向で動くようになっている。それを改めることが政権交代の意味だというのです。
政府と自民党の、いわば「公私混同」が、さまざまなひずみを起こしているわけです。
山口さんが指摘しているように、官僚は自民党の利益のために行動することが常態となり、警察や検察も、自民党が支配する状態を守るべき秩序と考えるようになります。
たとえば、鶏卵生産者大会事件麻生首相宅拝見ツアー事件、あるいは最近の西松建設による献金事件に関する不公平な立件などに、そうしたことがはっきりと出ています。
テレビを初めとしたマスコミの、自民党への迎合ぶりもつい最近までは見事なほどでした。

政権交代は、自民党から民主党へと政権党へと政権が変わることではなく、私的な自民党から公的な政府へと、政権が変わることを意味するわけです。

しかし、もう一つ大きな政権交代が垣間見えるような気がします。
それは、政治家による政権から世論による政権へということです。
郵政民営化はその先駆的な動きでしたが、国のことを考えていた政治家は郵政民営化に反対していた人も少なくないはずですが、国民世論がそうした政治家を切り捨ててしまい、政治の世界から議論や調整の文化を排除していったのです。
それを煽ったのは一部の政治屋たちと彼らに雇われた「にわか政治家もどき」たちですが、私たちはそれを歓迎してしまったのです。
そして、良識的にいえば、とても乱用などすべきではない、三分の二制度が繰り返し使われてしまい、政治は完全に数の暴力の世界になってしまったわけです。
世論による政治は、一見、国民主役の政治のようでいて、決してそうではありません。
それは両刃の剣のような危険なものなのです。
残念ながら私たちにはまだそれを使いこなせないことは、この数年の政治状況で学べたように思います。

もし仮に、民主党が圧勝し、4年前の郵政民営化のように三分の二以上の議席を得たならば、もう一つの危険な政権交代がかなり定着してしまうかもしれません。
デモクラシーからポピュリズムへの移行であり、政治の経済化がさらに進むことになりかねません。

今回の政権交代は単に政権政党が変わるだけではないわけです。
そこがとても悩ましいわけです。
自民党と民主党は、結局は同じ体質の政党ですから。まあどちらが政権をとろうと国民にとってはたいした問題ではないかもしれませんが、その選挙結果は国民に大きな影響を与えかねません。
社民党や共産党が主張するように、民主党の一人勝ちは避けなければいけませんが、そう思っているとすでに役割を終えた自民党のゾンビ政治家たちが漁夫の利を得るかもしれません。
今度の選挙の投票はしっかりと考えてから投票しなければいけませんが、なかなか難しい選挙であることは間違いありません。

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