■つながりを育てる金融、つながりを壊す金融
私に、ライファウゼンの信用組合のことを教えてくれたのは、農林中金の田中文章さんです。
田中さんが渡仏する直前にお会いしたのですが、帰国後、気になりながらも連絡をとらずにいました。
6月の支え合いサロンで農業の話がさかんに出ました。
それで思い切って、田中さんにまた会いに行きました。
どうやら田中さんはフランスの農業金融に引き込まれてしまい、それがライフワークになってしまったようです。
フランスの生活は、田中さんを変えてしまったのかもしれません。
田中さんは、話したいことが山のようにあるようです。
しかも、少しお話を聞いただけでもすごく刺激的な話がどんどん出てきます。
一人で聴きに来たことを悔やみました。
もっと多くの人に聴かせたいと思ったのです。
私は今の日本の農業政策には大きな違和感があります。
10年ほど前に茨城県の美野里町で都市計画マスタープランを策定するお手伝いをしましたが、その時に、農業を基軸に置いた都市計画を目指しました。
当時はまだ「思い」が強いだけで、農業の本質を必ずしも把握していませんでしたから、おそらく住民の人たちにも強くは響かなかったかもしれません。
しかし、政府の方針の間違いだけは確信していました。
自給率の問題は、当時から明確でした。
農業総合研究所の有名人にも会いに行きましたが、残念ながら期待はずれでした。
当時は、農的社会に関心がありました。
ところが、今回、田中さんから農業金融の話を聴いて、金融に関しても農的金融というのがあることに気づきました。
ライファウゼンの信用組合を、やはり学ぶ必要がありそうです。
田中さんと話しながら、いろいろなことに気づかせてもらったような気がします。
消化不足になりそうなので、控え目にして、改めて田中さんの話を聴く会をつくることにしました。
テーマはいろいろありそうですが、「つながりを育てる金融、つながりを壊す金融」というのはどうかと思っています。
私は「金融嫌い」ですが、考え直す必要があるかもしれません。
お金は、人や社会を壊す存在でもありますが、人をつなげ社会を豊かにする存在でもあるのです。
そんな話を、支え合いサロンで話し合える時がくればいいのですが。
田中さんの「フランス農業金融からのヒント」の話を聞きたい方はご連絡ください。
5人集まったら、会を開催します。
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コメント
これほど好奇心を刺激されるような紹介のされ方をされてしまうと、是非とも「フランス農業金融からのヒント」を聞いてみたいです!
農協とは全く異なる「農業金融」(農的金融)という世界があるのですね。
投稿: yotu | 2009/08/06 11:06