■節子への挽歌722:詐欺師人生
節子
青森の三沢で花いっぱい活動に取り組んでいるSさんからメールが来ました。
もしかしたら、今年、また三沢に行くかもしれないとメールしたことの返信です。
先生(一応、私は三沢のまちづくり活動のアドバイザーだったのです)がいらした頃とは会の活動も市の担当職員も変わっていますが、会員の方は活動に楽しみを見出しているように見えます。詐欺師。
先生にもまたいらしていただいて、詐欺師のように皆さんの気持ちに魔法をかけてください。(笑)
そういえば、Sさんはたしか以前にも私を詐欺師のようだといいました。
いささかムッとしますが、もしかしたら、正しいかもしれません。
私の人生は詐欺師人生だった、と考えると、なんだか奇妙に納得できるような気もするのです。
まずは、世界で5番目に幸せにするといって節子と結婚しました。
節子はなぜ5番目なのと、時々、笑いながら私を問い詰めましたが、5番目というのは立証不能、つまり否定不能なのです。
しかし、今から考えると、5番目どころか、あんまり幸せにはしてやれなかったと思います。
ある人がとてもいい企画を持ってきました。
とても面白いから取り組んでみたらといったら、「佐藤さんには前にも乗せられて、その気になってしまったから注意しないといけない」と言われてしまいました。
まあ、人をその気にさせるのは、詐欺師の特性かもしれません。
谷和原村で城山公園での里山活動を始めた横田さんも、最初は仲間が集まらずに、「先生に騙されてしまった」と笑っていたことも思い出します。
いまは城山の里まつりも定着し、楽しくやっているようですが。
そう考えていくと、私に騙されたと思ったことのある人はかなりいるのかもしれません。
節子が私と結婚したのも、もしかしたら私のこうした詐欺師的な巧妙な口車に乗ってしまったからかもしれません。
節子が私と結婚すると知って、たぶん驚いた人は少なくなかったはずです。
そういえば、「修さんは口がうまいから」と、節子は時々行っていました。
私の本性を見抜いていたのかもしれません。
しかし、念のために言えば、私は詐欺師ではないのです。
その時は本当にそういう気になるのです。
嘘をいえないのが私の性格でもありますので、詐欺師には全く向いていないわけです。
もっとも、それこそが天性の詐欺師なのかもしれません。
自分さえも騙してしまうわけですから。
やはり詐欺師と考えた方が、いろいろと納得できることが多いですね。
何だかややこしくなりましたが、私は人を乗せるだけではなく、自分をも乗せてしまう傾向があるのです。
そして、やらなくてもいいことをいろいろと引き受けてきてしまうわけです。
なんでこんなことまでやらなければいけないのだろうと、思うことが最近少なくありません。
もしかしたら、この性格は節子と結婚したために身についたことかもしれません。
節子のほうが、むしろ詐欺師ではなかったのか。
私をその気にさせて、自分はさっさと現世を引退してしまう。
節子のほうが私よりも一枚上手の詐欺師かもしれません。
もしかしたら、今もどこかに隠れて、私の慌てぶりを見ているのかもしれません。
いやはや、油断はできません。
パソコンの前で、詐欺師の節子が笑っています。
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