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2009/08/29

■節子への挽歌727:花火と月

今年は手賀沼の花火大会は中止だったのですが、その代わりに今日のかっぱ祭りのフィナーレにミニ花火大会がありました。
今回はお客さまを呼ぶほどのこともなかったのですが、近くの兄夫婦に声をかけて、一緒の食事をしながら花火も見ることにしました。
花火を見ながら、やはり節子の話が出てきました。
節子はいろいろなことを企画し、旅行にも行ったし、手賀沼の遊覧船にも乗ったし、というような話です。
たしかに節子の企画で、兄夫婦と一緒に旅行も何回か行きました。
節子がいなくなった途端に、私たちの付き合いも少し遠のいた感があります。

節子は、ともかくいろいろなことを企画し、声をかけてくれる人でした。
みんなを楽しませたり喜ばしたりするのが好きだったのです。
まあ時には行きたくもない旅行にも付きあわせられましたが、そうした場合でも、節子は決して飽きさせることはありませんでした。
私が節子に惚れきっていたからかもしれませんが、必ずしもそうではないように思います。
節子は、とてもホスピタリティに富んでいたのです。

手賀沼の花火は毎年1万数千発でしたが、今年は500発だと聞いていました。
500発も打ち上げられたかなとちょっと疑問ですが、水中花火もなく、退屈でした。
昨年は見る気力もなく、その前の年は節子と一緒に病室で音だけ聴いていました。
病身の節子には花火の音さえもきっとつらかったかもしれません。

節子も私も花火好きでした。
最初に一緒に暮らしだしたのは、滋賀の大津の瀬田川の近くです。
そこでの花火大会に2人で行ったような気もしますが、もしかしたら夢かもしれません。
私は本当に昔のことをあまり正確に覚えていないのです。
というか、夢と現実の区別がつきにくい人間なのです。
昔、節子の姉夫婦と一緒に4人でトンネル温泉に行ったことがあるのですが、私以外の3人はそんな記憶が全くないというのです。
そういうことが時々ありますので、瀬田の川原で花火を見た記憶もあやういものがあります。
確実なのは熱海の花火です。
これは家族全員が覚えていますし、たまたま熱海の会場で知人にも出会ったので、確かです。
しかし、今度はその記憶が私自身にあまりないのです。
花火は、かくのごとく人を惑わすものなのです。

まあ余計なことを書いてしまいましたが、花火会場が目の前だということが転居してきた大きな理由ですので、花火大会がなくなったのは残念な話なのです。
でもなぜか私の頭の中では、節子がいなくなったことと花火大会がなくなったこととがつながってならないのです。
節子がいなくなったのであれば、花火大会もなくなって当然だろうというわけです。
昨年の花火大会は、実は私にはかなり辛いものでした。

花火が終わった後の夜空に、上弦の月が寂しげに輝いています。
もしかしたらあそこに節子がいるかもしれない、そんな気にさせる美しい上弦の月です。
花火もいいですが、月もいい。
花火よりも、物言わぬ月のほうが、今の私には相応しい気がしてきました。

私の中でも、花火はもう終わった感じです。

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妻への挽歌04」カテゴリの記事

コメント

佐藤さん 弾き語りマンの宮内です
昨日 私も 花火は見れませんでした
17時半〜19時まで 駅前通りで 路上イベントとして
友人と沢山の太鼓や打楽器をを集め持参し
大人 子供 高齢者入り交じって
即興のパーカッッションライブをやっていました
200人〜300人くらいが楽しんだでしょうか?

その後かたづけ 協力者への挨拶もろもろに追われていて
花火は 音だけ2、3回認識した程度です

かっぱ大行進が手賀沼公園に向けてスタートした駅前ロータリーの花壇前では
こんなことが繰り広げられていたんですよ。

挽歌727:花火と月に対するコメントとして相応しいかどうかはわかりません。
このブログによって、奥様のことを知るにつけ 彼女の遺伝子(血は繋がっていないので遺伝子は 変ですか?)
が僕の中に宿っているんじゃないかと良く思います。
だから コメントを書きたくなってしまうのです。
きっと 節子さんも空の上から 見守ってくれていたんだと思います。

あ そうだ 本当に降りそうな黒い雲で、降らないのが不思議
と空を見上げて大きなビニールシートを抱えて考えていたんですが
あ そうか
雨を持ちこたえさせてくれたのは 節子さんかも知れませんね。


皆で輪になって音を鳴らす子供たちの 本当に楽しそうな笑顔を見て
我々は 本当に幸せな気分を味あわせてもらいました。
中に数人 センスのいい子もいて、スカウトしようかと思っちゃいました。
それは冗談ですが その子達含め全員の音楽の遺伝子を触発できたんじゃあないかと思います
濡れることのできない楽器 ということもありますし、天候をとても心配していたのですが
大成功のもとに終わることができました

太田さん 槙さんも パイプ椅子をせっせと運んでくださったり
何から何まで全面協力で 本当にありがたかったです


投稿: 宮内 俊郎 | 2009/08/30 11:06

宮内さん
ありがとうございます。

顔を出さずにすみませんでした。
この日は自宅にいたのですが、午後から来客で出そびれてしまいました。

かっぱ祭りのTシャツは拝見しました。
なかなか路上パフォーマンスに出会えずにいますが、そのうち、きっと出会えるでしょう。
楽しみにしています。

投稿: 佐藤修 | 2009/09/05 21:02

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