■ネット販売の向こうにあるもの
インターネットを使った「ネット通販」が好調だそうです。
この10年、毎年、6~7%の伸びで、昨年度の通信販売は推計で4兆円を超えたそうです。
とまあ、こういわれても、あまりピンときませんが。
実は最近、私はようやく、ネットで購入することの利便性と効用を知りました。
まず探している商品をみつけることがこれほど簡単だとはしりませんでした。
それもかなり条件を指定できます。
さらに驚いたのは、安いことです。
また消耗品はリサイクル製品がたくさん出回っていることを知りました。
卓上複写機のトナーを探していましたが、古い形式なのでなかなかありませんでした。
ところがネットで探したらすぐ出てきました。
しかもリサイクル品で頼んだら、大型電器店の新品に比べて、半額以下でした。
それに味を占めて、いろいろと調べてみました。
実に面白いです。
かつての消費者が百貨店めぐりをしたり、今の若い女性たちがアウトレットめぐりをしているのとは違うかもしれませんが、いろいろな発見もあります。
もうひとつわかったのは、さまざまなポイント制があるということです。
これも不思議なのですが、あるサイトを経由すると二重にポイントがつきます。
なにやら三重に付くような気がするものもありますが、だんだん複雑になって、要するに訳がわからなくなってしまいますが、うまく活用したら、メリットは大きいでしょう。
いやそれ以上にたぶんゲーム感覚にはまってしまうのかもしれません。
そういえば、私のホームページにある「コモンズ書店」を経由して本を買うと金額の3%が私の講座に振り込まれるのですが、それはなにも書籍に限らず、要するにアマゾンからであればなんでもが対象になることがわかりました。
残念ながらコモンズ書店はほとんど売り上げはないのですが、それでも時々、ここを経由して書籍やDVD、ゲームなどを購入してくれる人がいます。
その結果、私のところに数十円のマージンが入るわけですが、これは私にとっては「不労所得」です。
こうした「不労所得」がおそらくいろんなところで発生しているのでしょう。
おそらくそれを累計するとかなりの規模になるでしょう。
不労所得を排除していくことで経済は効率的になっていくのではないかと私は思っていたのですが、どうも事実は反対のようで、不労所得を増やしていくことが経済を効率化するのかもしれません。
ここでの問題は、「不労」とはなにか、「効率」とは何か、なのですが、それらは悩ましい問題です。
それにしてもネット販売の広がりは、産業のあり方や流通構造を変えるだけではなく、市場というものをまた変えてしまうような気がします。
少なくとも「売る人」と「買う人」とが別々にいる市場ではなく、それぞれが保有しているものの価値を創発させていくような市場です。
アマゾンは参加者の自宅の書棚を市場のための商品庫にしたと言われていますが、やっとその意味するところが理解できました。
そこからこれからの新しい経済の姿が垣間見える気がしますが、まだそれを見据えることができません。
どうもその市場においては金銭も小売店もいらないような気がするのですが、どうでしょうか。
私的所有という概念もなくなるかもしれません。
私的所有発想がなくなれば、この世界はとても豊かになるでしょう。
何しろ世界そのものすべてが自分のものになるのですから。
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