■政府に必要な「経営」とは何でしょうか
新報道ステーション2001で、各党の幹事長が討論していました。
政権与党側の幹事長にいろいろと気になる発言が少なくありませんでした。
自民党の細田幹事長は、政権には経営は必要だといっていました。
彼の言う「経営」とはなんなのでしょうか。
まさか奥田さんや御手洗さんが考えているような「金儲け」ではないでしょうが。
経営とは、原理原則をしっかりと持つということです。
単に収支を合わせるというような財務管理の話ではありません。
ビジョンやミッションの話なのです。
最近の政権にそれがないから、いま問題になっているわけですが、その認識が皆無なのが驚きです。
公明党の北側幹事長は、社会保障費がこれから毎年1兆円程度ずつ増えていくことを考えると、消費税増税を考えないなどというのは政治家として失格だといっていました。
「失格」とはきつい発言だと思いますが、社会保障費が毎年増えていくのが当然という発想は、経営とは無縁の発想です。
そうした右肩上がりの発想が政治をだめにしてきたことはいうまでもありません。
福祉国家戦略の限界はもう明らかになってきているように思います。
それに、問題に応じて出費を増やすという発想は、私の嫌いな、経済を成長させるためには市場(顧客)を創造することだという、ドラッカー経営学に通じますが、その時代はもう卒業すべきです。
それに、それは「政治の発想」ではなく「行政の発想」です。
民主党の岡田幹事長の発言はいつもながらしっかりと考えていることがよくわかります。
民主党に限らず、野党の主張はいずれも共感できます。
しかしなぜ野党は連携できないのでしょうか。
部分的な連携は生まれだしていますが、大きな構想に基づく連携はできていません。
いま必要なのは、大きなビジョンでの連携なのです。
野党側の幹事長が中心になって、日本の国のかたちを考えるプロジェクトを起こしたら、きっと良いものができるなと思いました。
そうした動きが出てきてほしいものです。
野党連合にこそ、マルチチュードの時代の新しい息吹がこもっているような気がします。
政権に近い民主党は、岡田さん以外はかなり曇りだしているような気もしますが。
議論の最後に、各党が考える選挙の勝敗ラインの質問が出されました。
愚劣な質問ですが、質問に応えてちまじました答を各党が出したのにも失望しました。
岡田幹事長だけは答えませんでしたが。
かなり独善的なコメントになってしまいました。
8月30日に何が起こるか、期待よりも不安が大きいような気がします。
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