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2009/08/22

■節子への挽歌720:ボロボロの白い靴

節子
夏の白い靴がもうボロボロになってしまいました。
なにしろ一足しかないのです。
どこに行くにもこの靴なのです。
肌着類は節子がたくさん買ってくれていましたが、靴までは気が行かなかったようです。
それで買い置きがなかったのです。

私は買物がどうも苦手です。
それを知っている娘たちがいろいろと買ってきてくれますが、白い靴だけは見つかりません。
なぜか私が好きなかたちの白い靴がないのです。
とんがっていたり、おしゃれすぎたり、装飾があったりして、どうも私的ではないのです。
こんな時にも節子は私にとことん付き合ってお店に行ってくれました。
節子に頼めば何でも手に入ったのです。

さて白い靴です。
あまりのボロボロさに、2人の娘が探し始めてくれました。
しかし見つかりません。
ファッショナブルとは思えない、実にシンプルな靴なのに、なぜかないのです。
今日も出かけるのですが、傷だらけでよれよれの靴を履いていかねばいけません。

このタイプの白い靴を私は学生の頃から愛用してきています。
価格はおそらく3000円か4000円程度の安い靴です。
節子は、靴はもっといいものを履けと言っていましたし、友人の靴職人はそんな靴を履いていたらダメだと怒りますが、その安い靴が好きなのだから仕方がありません。
トレッキング用の、それなりの靴も節子とおそろいで買ったのですが、夏のハイキングはいつもこの靴でした。
節子と一緒に、千畳敷カールを歩いたのもこの靴です。
ボロボロになってしまったわけです。
早い時は1~2年で買い換えていましたが、節子の病気が悪化してからは靴など買いに行った記憶はありません。
ですからいま履いている白い靴は、もう3~4年目かもしれません。
普通ならすでに廃棄処分されているような状態なのです。

長々書いてしまいましたが、今日は靴の話を書こうと思ったのではありません。
私のわがままに応えてくれる娘たちのやさしさを書きたかったのです。
この数週間、我孫子はもとより、柏まで足を延ばして、この種の靴が売っていそうなお店を軒並み探してくれたのです。
まさかと思うほど熱心で、節子が娘たちに乗り移ったのではないかと思いました。
なにかと親不孝な娘たちですが、節子の文化はしっかりと伝わっているようです。
白い靴がなかなか見つからないおかげで、そのことがよくわかりました。

さて今日もまたゴミ箱から拾ってきたような靴で、自殺のない社会づくりネットワークの交流会に参加してきます。
節子がいたら、みっともないから茶色か黒い靴を履いていけというかもしれませんね。

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