■節子への挽歌756:「むすびびと」と「おくりびと」
節子
一条真也さんが「むすびびと」という本を編者として出版しました。
人と人、一条さん的にいえば、魂と魂を結ぶ仕事をしている、いわゆるウェディングプランナーと呼ばれる人たちの体験した感動的なエピソードを集めた本です。
「むすびびと」は一条さんの造語ですが、一条さんは「結婚」も「結魂」と捉えており、「結魂論」という著書も書いています。
一条さんには節子は会ったことはありませんが、節子が闘病中に元気になるようにと韓国のお寺からお守りを送ってきてくれたこともあります。
節子は最後まで、そのお守りを大事にしていました。
一条さんは、映画で話題になった「おくりびと」に触発されて、きっとこの本を思い立ったのでしょう。
一条さんからは以前から「おくりびと」も薦められているのですが、まだとても観る気にはなれません。
一昨日、久しぶりに人と情報の研究所の北村さんが湯島に来てくれました。
たまたま先日、朝日ニュースターのテレビに出ていた私を見て、私が活動を再開したことを知って、やってきてくれたのです。
そこで、たまたま「おくりびと」の原作である「納棺夫日記」の著者の青木新門さんのことが話題になりました。
青木新門さんは北村さんのお知り合いなのです。
「むすびびと」を読んだ翌日だったので、なにかとても縁を感じてしまい、北村さんにも「むすびびと」の本を紹介させてもらいました。
「むすびびと」と「おくりびと」。
私は「おくりびと」も「納棺夫日記」も、その内容は知らないのですが、そういえば、一条さんの葬送論を読んでいないことに気づきました。
結婚を「結魂」と捉えた一条さんであれば、おそらく魂に関わる形で葬送を語ってくれそうです。
もう15年ほど昔になりますが、私が一条さんに興味を持ったのは、一条さんの対談集「魂をデザインする」という本だったことを思い出しました。
もしかしたら、いま読み直すと、全く違ったメッセージを読み出せるかもしれません。
この15年間で、おそらく私の感受性や生命観は変わっているはずです。
改めて読み直してみたくなりました。
いまはまだ「葬儀」という文字を見るだけで心が緊張してしまうのですが、一度挑戦してみようと思います。
節子を見送った意味、今の節子にとっての私の意味、など、いろいろと気づくことがあるかもしれません。
あるいは、抽象的な退屈な対談に感ずるようになっているかもしれません。
それを読んだ上で、いつかまた最新の一条さんの葬送論を聴きたいと思っています。
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