■節子への挽歌758:もはや万策尽きました
昨日は自殺防止で効果を挙げている天ヶ瀬ダムに行ってきましたが、なぜ人は自殺するのでしょうか。
節子が辛い闘病に入った頃、若い友人からメールが来ました。
もはや万策尽きました。嫌な予感がしました。
お借りしたお金も返せなくなりました。ごめんなさい。
すぐにメールをしました。
電話は通じませんでしたから。
昨年秋、私たち夫婦は「希望」を失っていました。返事が来ました。
医師からは極めて厳しい宣告を受けていたからです。
しかし、年末に、「希望」を持つことの大切さに気づきました。
そうはいってもなかなか意識は変えられませんでしたが、
希望を意識しだしてから3か月くらいたって、
漸くすこしずつ先を考える余裕が出来てきました。
そして、ともかく前に進みだすことが出来ました。
大きな問題は何一つ解決していませんが、
生き方は変わりましたし、覚悟も出来ました。
その結果、本当に少しずつですが、事態が好転しだしています。
いやそう思って、前に進み続けているというのが正直なところですが。
***さんとは事情が全く違うといわれそうですが、
そうではないかもしれません。***さんの仕事探しに協力しようと思っていた矢先です。
万策尽きたということですが、
まだ早くはないですか。
いずれにしろ、私たちに比べれば、
***さんにはずっと大きな「希望」があるように思います。
万策尽きたと思い込まずに、ぜひ前に進んでいってほしいと思います。
朝の万策尽きたというメールは、お詫びのメールです。衝撃的なメールです。
その後、包丁で自殺するためだったので。
遺書も書きました。
しかし、地震と心臓で死にかけた人間には、まして借金を残したままの人間には、なかなか死ぬことが許されないらしいのです。
人間とは不思議なもので、刃物を強くあてても、
最後の一突きで、筋肉が硬化して押し戻すのです。
しかし、このメールを読んで、大丈夫だなと思いました。
彼はその後、自己破産をして郷里に戻りました。
生活を立て直したら連絡をしてくれるそうです。
連絡を待ち望んでいます。
人は、死んではいけません。
明日また、続きを書きます。
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