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2009/10/04

■緑字決算表

環境経営が話題になりだした頃、私も各社の環境経営に関する実態を知るために、各社の環境報告書を取り寄せて読ませてもらったり、各社の環境経営のトップにインタビューさせてもらったりしました。
もう10年以上、前のことです。
それを踏まえて、日本能率協会の環境経営提言の策定にも参画させてもらいました。
その時の感想を正直に書かせてもらえれば、形だけの対応が多いなという感じでした。
環境報告書もIR向けのものばかりで、作成の意図を疑いたくなるものばかりでした。
その後、環境報告書はCSR報告書に発展してきていますが、あまり実態は変わっていないように思います。
基本姿勢が間違っていると思えてなりません。

そうしたなかにあって、最初から共感できる会社がありました。
宝酒造です。
同社は「緑字決算」という概念を創りだし、それを軸にして、とてもわかりやすく実効性のある報告書と活動を続けています。
先週、今年度の「緑字企業報告書」が送られてきました。
感心するのは、年々、実践活動の内容が進化していることです。

環境経営に関心のある人にはぜひ読んでほしい報告書です。
宝酒造のホームページから読めます。
冊子が入手したければ同社に申し込めば送ってくれます。

緑字報告書は1998年から始まっています。
同社の吉田さんという若い課長から情熱的にその思いを聞かせていただいたのを今でも思い出しますが、とても残念なことに吉田さんは若くして急逝してしまいました。
もし吉田さんが健在だったら、私はもう少し環境経営に関心を持ち続けられたかもしれません。
しかし、宝酒造以外の環境報告書は私には退屈で、その後は読む気もしませんでした。

今回、久しぶりに緑字報告書を読ませてもらいました。
ちょっと化粧が濃くなったかなという気がしないでもありませんが、吉田さんの蒔いた種が順調に育ってきているようなうれしさを感じました。

温室ガス25%削減が話題になっています、その実現のヒントはこの報告書の中にたくさんなるように思います。

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