■節子への挽歌761:辛いことを乗り越えると強く明るくなるのかもしれません
今日は熊谷の森林公園のホテル・ヘリテージに来ています。
企業の経営幹部の人たちの研究会の合宿に参加しています。
いつもは箱根なのですが、今回は場所が森林公園です。
箱根は節子のことを思い出すので辛いのですが、実はこのホテルも節子の思い出と無縁ではないのです。
一緒に来たことがあるわけではありません。
節子は闘病中に歩行が難しくなりました。
その時にある人の勧めで、官足法というのを教えてもらいました。
この挽歌でも以前書いたかもしれませんが、足裏マッサージです。
それをやってもらったら、小さな奇跡が起きたのです。
節子が歩けるようになりました。
それを教えてくれたのがこのホテルでマッサージをされていた岡山さんでした。
湯島に来てもらい、レクチャーを受けました。
そしてその足裏マッサージを、私が毎日していたのです。
節子がいなくなった後、岡山さんにはお会いしていません。
今回、もしかしたらお会いできるかもしれないと思ったのです。
残念ながら、岡山さんは今はここではなく池袋で仕事をされているそうです。
半分がっかりし、半分ホッとしました。
会いたいようで会いたくない、そういう人が少なからずいます。
岡山さんはいつも明るく、私たちに希望を与えてくれました。
ご自身もいろいろとご苦労のあったことをお聞きしていましたが、そんなことを微塵も見せなかった方でした。
人は辛いことを乗り越えると、強く明るくなるのかもしれません。
その明るさの底にある悲しさや辛さは拭い去ることはできないでしょうが、逆にそれがあるからこそ、強く明るくならなければいけないのかもしれません。
いまはそんな気がします。
私もきっと、そうなってきているのかもしれません。
昨日、ある集まりで、「佐藤さん、元気になりましたね」といわれました。
こういう言われ方は、あんまりうれしいものではありません。
でも素直に喜びましょう。
最近、そういう気持ちになってきました。
夜、温泉に入りました。
大きなお風呂場に私一人でした。
久しぶりにゆっくりとつかっていました。
もう旅行で温泉を楽しむことはないかもしれない、そんな気がしました。
節子は温泉が好きでした。
だから、もう行きたくないのかもしれません。
本当はまだ強くはなれていないのです。
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