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2009/10/30

■「1人だったらダメだった。3人だから生きられた」

八丈島近海で転覆した漁船「第1幸福丸」の真っ暗な船内で4日間をがんばった船員の一人、宇都宮さんが、
「1人だったらダメだった。3人だから生きられた」。
と語っていました。
とても考えさせられる言葉です。

転覆事故のあった24日、私は「自殺のない社会づくりネットワーク・ささえあい」のキックオフを兼ねた「自殺多発場所での活動者サミット」を開いていました。
この半年、準備を重ねてきたものですが、このテーマへのかかわりを深めれば深めるほど、自殺のない社会とはやはり「大きな福祉」の実現ではないかと思うようになりました。
「自殺対策」はもちろん大切ですが、自殺を引き起こすような「真っ暗な社会」での私たち一人ひとりの生き方こそを問題にしなければいけないという思いを強くしました。

真っ暗な社会でも、そして希望が見えにくい時でも、3人いれば支えあえる。
この事件は、そのことを教えてくれています。
「1人だったらダメだった。3人だから生きられた」。
すべての人に聴いてほしい言葉です。

人は決して一人では生きていません。
たくさんの人に支えられています。
そのことに気づけば、先ず自らが周りの人を支えようという気が起こってきます。
支えることは一方的な行為ではありません。
誰かを支えれば、必ずそのことで自らが支えられるのです。
支えることは必然的に支え合う循環を生み出します。
そのことに気づけば、とても生きやすくなり、世界は平和になるでしょう。

「1人だったらダメだった。3人だから生きられた」。
これは真っ暗な船室だけの話ではありません。
私たちの日常生活にとっても、大きな示唆を含んでいます。
私たちも、ちょっとだけ生き方を変えましょう。
それが、「自殺のない社会」「孤独死のない社会」「子どもの笑顔の溢れる社会」「だれでもが気持ちよく暮らせる社会」につながっていくはずです。
そうした、大きな「支え合い社会」は、まずは自らの小さな一歩から始まる。
そのことを、今回の宇都宮さんの言葉で改めて確信しました。

最近疲れたので、コムケア活動をやめたいと思い出していますが、元気がまた出てきました。

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